プロテインブームの裏側 ──「高タンパク」表示と超加工食品の注意点
今やたんぱく質(プロテイン)は「ヒーロー栄養素」とされ、スーパーマーケットを歩けば、クッキーやパスタ、シリアル、ベーグルなどに「高たんぱく」のラベルが目立ちます。大手コーヒーチェーンでは高たんぱくラテが登場し、飲料コーナーでも高プロテインウォーターがオンラインや大型店舗で販売されるようになっています。
アメリカ疾病予防管理センター(CDC)によると、多くのアメリカの成人はすでに推奨されるたんぱく質摂取量を満たしていますが、実際に自分に必要な量を把握していない人が79%にのぼります。そのため、マーケティングやSNSの流行に左右されやすく、「健康的な食事」を求める動きと、フィットネス、体重管理、全体的なウェルネスを支えるスナックの需要が高まったことで、1,170億ドル規模の世界的な産業が形成されました。これらはすべて、プロテインの人気に支えられているのです。
しかし専門家たちは、超加工食品に追加されたたんぱく質の摂取は、かえって健康に悪影響を及ぼす可能性があると指摘します。特に、私たちがすでに摂取しているカロリーの56%がそうした加工食品から得られている現状では、肥満や死亡リスクの上昇にもつながるとされています。たんぱく質という単一の栄養素に注目しすぎることで、健康維持に必要な他の栄養素が豊富に含まれる自然由来の食品を見逃してしまう恐れもあります。
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