中国 民衆蜂起寸前か 農民工帰郷と習近平体制の危機
2025年の中国で、江油事件の大規模デモから農民工の帰郷警戒、企業ストライキ、墓掘り返し政策への反発まで、抗議と衝突が各地で噴き出している。地方財政の逼迫と失業の拡大、そしてネット統制の強化が重なり、専門家は「政変・兵変・民変のエネルギーが同時多発的に蓄積している」と警告する。中国は今、民衆蜂起にどれほど近づいているのか、その実像を追う。
中国四川省では7月に「江油事件」が発生した。14歳の少女が同年代の友人に未完成の建物内へ連れ込まれ、服を脱がされ、侮辱や集団暴行を受けた。加害者たちはその動画をネットに投稿した。中共当局が何の対応もしなかったことで、大規模な民衆抗議が勃発。当局は多数の武装警察を派遣して弾圧に乗り出し、双方が衝突。多くの抗議者が暴行を受け、拘束された。
10月末には、海南省の国有企業が農民のビンロウの樹を無断伐採したことが発端で、警察と住民の衝突へ発展した。
関連記事
中国の企業・政府・家計の債務残高が、2025年末にGDPの約3倍に達した。政府の利払い費は財政収入を上回るペースで増加。不動産不況による地方財源の縮小や過剰投資も重なり、景気を下支えする政策の余地が狭まっている
中共は、党員数が1億人を超えていると称しているが、過去数十年間、国内での人の移動や出国、人々の意識の変化などを背景に、党員は党組織から徐々に離れるようになった。党が最も恐れているのは、公に離党を表明され、不利な政治的影響が生じることだという
中国銀行業は利益減少と不良債権増加が同時進行し、利ざやは警戒水準を下回った。表面上は安定を装うが、地方債務や不動産問題など簿外リスクが拡大。外資の撤退も進み、構造的な脆弱性が鮮明になっている
4月の対中直接投資は前年比26.1%減。債券売却やデータ規制強化を背景に外資撤退が進行し、景気減速も鮮明に
4月8日、習近平は中国国防大学で行われた全軍高級幹部向け研修の開講式に出席したが、出席した上将はわずか3人だった。国防大学学長の肖天亮上将は姿を見せていなかった