(左)2024年3月22日、米連邦議会議事堂の外で取材に応じるJeff Merkley上院議員(民主党・オレゴン州)。 (右)2026年1月28日、ワシントンで撮影されたTed Cruz上院議員(共和党・テキサス州) (Madalina Kilroy/The Epoch Times)

米上院議員 法輪功保護と強制臓器摘出対策の超党派法案を提出

中国共産党政府が関与するとされる人権侵害への加担を抑止することを目的とした法案である。

 

米上院の2人の議員は、中国で国家が関与しているとされる強制臓器摘出という犯罪を抑止し、弱い立場に置かれた人々を保護することを目的とした超党派法案を提出した。

「法輪功および強制臓器摘出被害者保護法(Falun Gong and Victims of Forced Organ Harvesting Protection Act)」は、こうした人権侵害に責任を持つ人物に対する制裁を可能にするものであり、大統領に対し、この問題への関与が疑われる外国人のリストを作成するよう求めている。

このリストは毎年、または新たな情報が得られた場合に更新される。

この法案はテッド・クルーズ上院議員とジェフ・メルクリー上院議員が共同提出したもので、加害者がアメリカへ入国したり、アメリカ国内で金融取引を行ったりすることを禁止する。対象者は、保有しているアメリカビザや移民関連の優遇措置も失うことになる。

制裁に違反した場合、民事罰として最大25万ドルの罰金、刑事罰として最大100万ドルの罰金および最長20年の禁錮刑が科される可能性がある。

クルーズ上院議員は声明で「中国共産党は、信仰を理由に人々を標的とする残忍な国家主導の臓器摘出産業を運営している」と述べたうえで「中国共産党は特に法輪功学習者を標的としており、宗教の自由と基本的人権に対する重大な侵害を行ってきた。アメリカはこうした残虐行為の責任者に責任を取らせるべきだ」と語った。

クルーズ上院議員はまた、メルクリー上院議員が法案の共同提出に加わったことに謝意を示し、議会の同僚に対し「速やかに法案を前進させるよう」呼びかけた。

「恐ろしく野蛮」

法輪功は「真・善・忍」を原則とする精神修養法で、中国では26年以上にわたり致命的な迫害を受けてきた。数千万に及ぶとされる学習者は、警察による継続的な嫌がらせ、恣意的な逮捕、投獄、その他の虐待に直面してきた。

2019年、ロンドンに拠点を置く独立調査機関「中国法廷(China Tribunal)」は、中国で大規模な強制臓器摘出が行われてきたことを合理的疑いの余地なく認定し、その主要な臓器供給源が法輪功学習者であると結論付けた。

クルーズ上院議員のプレスリリースは「摘出された臓器は中国国内の移植手術に使用されるほか、海外にも流通している」と説明している。

クルーズ上院議員は3月12日、強制臓器摘出について「恐ろしく野蛮な行為だ」と述べた。クルーズ上院議員は「Sound of Hope Radio Network」のインタビューで、「これは極めて醜悪な人権侵害であり、私たちは一致してこれに立ち向かうべきだ」と語った。

この法案の前身となる「法輪功保護法(Falun Gong Protection Act)」は、2025年5月に米下院を通過している。

メルクリー上院議員はクルーズ上院議員と同様、上院外交委員会のメンバーであり、人権侵害の加害者は必ず結果に直面すべきだと述べた。

メルクリー上院議員は同ラジオ番組のインタビューで、この法案の目的は「強制臓器摘出という恐ろしい行為に注意を喚起し、加害者に対してビザや金融面での制裁を科すことだ」と説明した。

メルクリー上院議員は「この慣行は完全に容認できないという明確なメッセージを送ることが目的だ」と述べ、トランプ大統領が今後予定している中共の習近平党首との会談でこの問題を取り上げることを望むと語った。米政府が中共政府と貿易問題で協力する前に、この人権侵害を終わらせるための行動を取るべきだとメルクリー上院議員は指摘した。

自由を守る

法案はまた、米国務長官が保健福祉長官および米国立衛生研究所の所長と協議したうえで、中共政権下の臓器移植政策について議会に報告書を提出することを求めている。

報告書には、中国の公式および非公式の移植政策、ならびに法輪功学習者などの良心の囚人に対する適用状況が含まれる。

さらに報告書には、中国で行われている年間移植件数の既知または推定値、臓器の供給源(自発的提供者数を含む)の評価、臓器移植までに要する時間とその妥当性が含まれる。また、法案成立前10年間に、中国国内の移植研究や米中共同研究を支援したアメリカの助成金も列挙される。

政府当局はまた、中国における強制臓器摘出が、2018年制定の「エリー・ヴィーゼル虐殺・残虐行為防止法(Elie Wiesel Genocide and Atrocities Prevention Act)」における「残虐行為」に該当するかどうかについての判断を示す必要がある。

サム・ブラウンバック氏元米国際宗教自由大使は、強制臓器摘出を「悪魔的行為」と表現し、この問題は中国共産党の本質を示していると指摘した。

ブラウンバック氏は、NTDのインタビューで「中国のこの政権は、想像を絶するほど恐ろしいことを実際に行う意思を持っている」と述べ、同政権は人間の身体の一部を「売買される商品」として扱っていると指摘した。

ブラウンバック氏はまた、ソビエト連邦の時代には「神を否定する共産主義者」が国外移住を望むユダヤ人を迫害し「リフューズニク(移住を拒否された人々)」と呼ばれる社会的追放者にしたと述べた。

ブラウンバック氏は「ここで語られているのは、同じ共産主義であり、反神的で無神論的なイデオロギーが、自分たちと異なる宗教的信念を持つ人々に対して何を行うかという問題だ。これは恐ろしいことであり、議論されなければならない」と述べた。

さらにブラウンバック氏は、中国共産党当局が「存在そのものへの脅威」と見なしている宗教の自由を守ることは、アメリカにとって重要な強みの一つだと指摘した。

ブラウンバック氏は「これは私たちが望んだ戦いではない。しかし最終的には、この戦いをやり遂げなければならない」と述べた。

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