草庵居士:中国の金融界はなぜ中国の未来を破壊するブラックホールとなるのか(二)

【大紀元日本ネット4月25日】(大紀元記者黄毅燕報道)著名な政治経済評論家である草庵居士は、4月3日、大紀元北カリフォルニア支部主催で、サンフランシスコ・ベイエリアのサニーベイルにて行われた第13回“九評共産党”シンポジウムに参加した。現在パンアメリカンキャピタル副会長兼CEOである草庵居士は、シンポジウムにおいて、“中国の金融界はなぜ中国の未来を破壊するブラックホールなのか”と題する講演を行った。

講演において、草庵居士は中共政府の経済指標を用い、中国経済がなぜ、表面的には繁栄し、実際には至る所に危機を内在しているのかについて分析を行った。まず、中国経済は不均衡な発展をしており、70%が外需に依存している:郷・県・省3級の政府の財政赤字はGDPの70%になっており、銀行の不良債権は全国の営業利益(年ベース)の20倍である:さらに、銀行の不良債権の内幕は驚異的であった。

草庵居士はこう述べている:“中国建設銀行の現在の行長である郭樹清の話を引用すると、中国の銀行界にはシステム的なリスクが出現しており、このシステム的リスクについて、少しでも注意を怠れば、中国の金融システム全体は直ちに崩壊するであろう。”

以下は、草庵居士の発言内容である。

詐欺:地方、企業、官僚と銀行が結託した詐欺

実は、企業の中でも多くの人が詐欺をします。私はある瀋陽人を知っています。彼が犯罪行為をした舞台は、ハルピンでした。彼は街中に販売会社を作り、場所を借りました。その後、職員を募集し、職員に一月一万元余りの高給を与えると言いました。その後、彼は職員の資料を提出させ、職員の名義でローンを受けて車を買いました。ローンの資金を手にして車を買い、後にその車を売りました。彼は十数件の自動車販売店を開いて車を売りましたが、2年に渡って車が売れなくなりました。

大体去年の6月頃、彼は日本に逃げ、全てのお金を持ち逃げしました。その結果、銀行に回収が見込めない債権が大量に発生しました。債務者のうちある者は農民、ある者はその他、見たことがない人ばかりでした。彼は、職員の招聘時に登記した資料に印鑑を押しただけで銀行からローンを受けることができたのです。国内の一部の自動車販売業者は、数十万、数百万元の規模で自動車の輸入をしていますが、彼は数十人の職員で千万以上の取引をし、こうして騙していたのです。こうした詐欺においては当然、地方、企業、官僚と銀行が結託しています。実は、国内ではこうした事件が非常に多いのです。

税関における税金の還付における詐欺:3万ドルでコンテナ一杯分の海水を売る

最も有名なのは広東の話で、私は非常に面白い話に出会いました。広東のスワトウにある漁師がいました。多くの人が偽の領収書を作っているのは皆さんご存知ですが、彼らがやっていたのはこれではありませんでした。彼らは人を雇い、大きな鉄のケースに海水を詰め、コンテナの中に入れました。その後、税関に行って化学工業用の原料と申告して輸出するのです。

一つのコンテナにガラスの器や椅子を入れる場合、3,5万ドル分の貨物を詰めることができます。しかし、彼らが詰め込んだのは、30、40万ドルの価値に相当する海水だったのです。その後、彼らはロサンゼルスに向けてこれを発送します。輸送費は非常に高くつきまして、当時40尺(約10メートル)のコンテナが1つ分で2000ドル余りでした。彼らは毎日コンテナ1,2個を発送しました。結果、彼らの輸出金額は非常に高くなりました。そして、現地の政府に税金を還付してもらうのです。

30、40万元の場合、どれだけの税金が還付されるかご存知でしょうか?名目的には、市場価値の15%ですが、実際に手にできるのは7~8%です。30万ドルのうち5%が還付される場合の計算をしてみて下さい。一回で1万5000ドルになります。彼らは、毎日コンテナ一つ分の海水を輸出して1万5000ドルを手にすることができるのです。この税金は、全て中央財政の還付から得られるものなのです。

このコンテナが到着したらどうするのでしょうか?あて先の会社の名前と住所はでたらめに書いたものです。到着先の税関は、これを持ち主なしの貨物と見なし、6ヶ月待ってから競売にかけます。

なぜ私はこうした事情を知っているのでしょうか?なぜなら、私には上海に友人がいますが、彼はいつも税関の競売に行き、拾い物を探しているからです。ある時、彼は3万ドルを費やしてコンテナ一つ分の海水を落札して来まして、それを私に話してくれました。彼は当局に通告してこう言いました。あなたがた税関は詐欺だ。どうして海水を私に競売させたのですか?しかも、3万ドルも!

その結果として税関が調査をすると、いわゆる化学工業用の原料の多くが海水で、鉄ケースの一つ一つが非常に重いことが分かりました。この事件は国内に伝えられ、国内で税金の還付を調査する事件を引き起こしました。その舞台はスワトウでした。この事件は10年近く続いています。税金の還付を通じ、こうした人々が海水を輸出していくら稼いだのか、皆さんはもうお分かりでしょう!

中国の財政資金の流出は非常に深刻です。朱鎔基が当時行った政策は、税金の還付によって輸出を奨励することでした。このように、根を掘り起こして土台をぶち壊す話を中国経済全体になぞらえて言いますと、どんなネズミも非常に小さいですが、その牙は非常に鋭く、一箇所一箇所をかじり、この木や鉄を全部食べつくしてしまうのです。だから、皆さんはこうした事件を見つめてみることです。

中国の株式上場は金銭の囲い込み:水虫の話

中国の株式市場を見ると、その実態は金銭の囲い込みで、実にひどいことが行われています。

皆さんは楊蘭、呉征(音)の上場の話を知っているでしょう。ネット上でこの事件が騒ぎになった時、私は一本の文章を書きました。皆さんは、どうして彼らに代わって私が話しをするのかと思われているでしょう。

私は彼らに代わって話しをするわけではありません。彼らにはまだやるべきことがあるからです。株式上場について、皆さんは、シリコンバレーあたりでこれを経験したことがあるでしょう。うまく話をするために、例え話をしましょう。今日、私はあるモノを発明しました。それは水虫を治療する薬です。しかし、私にはお金が一銭もありません。また、この薬の良し悪しについても口にしません。私は、おそらく中国大陸の会社を探すでしょう。その会社は優れた会社で、3年間お金を儲けた経歴があります。私は、直ちに彼らと株を交換します。その後、アメリカに行ってこう言います。中国大陸の人は、およそ30%が水虫です。すなわち、13億人のうち4億人が水虫なのです。一つ1ドルとして、一人に一つ売れば4億ドルになります。

皆さんがこうしてお金儲けをするケースを考えてみてください。しかし、アメリカで皆さんがこの話をして、企業が利益を上げられなかった場合、皆さんは調べられ、訴訟を受けることになります。しかし、中国大陸では違います。この話をした後で、中国政府がさらに鼓舞してこう言います。4億人が水虫という話は違っています。我々が調査をしたら、8億人が水虫でした。この点、皆さんの言いぶりは良心に欠けています。さらに、アメリカでは個々人が主体ですが、中国大陸では政府主導で地方に上場させているのです。

(つづく)

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