中国社会の社会構造の変化と社会的矛盾の噴出

【大紀元日本8月12日】中国社会学会・副会長、北京清華大学人文社会科学院・院長の李強氏は、中国の社会構造が、現在、“逆「丁」字”型の様相を呈しており、そのため社会構造に緊張が生じ、社会矛盾が容易に激化していると指摘し、加えて、中国社会がすでに高危険域に入っていると警告している。中央社が伝えた。

香港大公報によると、北京で開催されたあるシンポジウムにおいて、李強氏は、中国の第5回の国勢調査データに基づき、社会学的手法により中国の就職人口を分析し、現在の中国には、社会的・経済的地位の低い巨大な集団が存在しているとの分析結果を発表した。その分析結果によれば、中国の社会構造は、“オリーブ型”、“ピラミドの型”のいずれにも当たらず、“逆「丁」字”型となっていると指摘している。

李強氏の分析によれば、現在中国において、社会集団の間に見られる対立・矛盾・衝突という社会現象は、この“逆「丁」字”型の社会構造に起因しているという。また、社会関係が緊張し、社会矛盾が容易に激化することにより、結果的として、社会問題と社会的危機が発生している、と。

“逆「丁」字”型社会構造では、社会集団の間の需要に格差が生じ、中流階級集団にとっての生活上の基本施設は、“逆「丁」字”型構造の底辺にいる人々から見れば、すべて贅沢品または生計を立てるに充分な手段に思える。例えば、近年、中国都市部において、マンホールの蓋が盗まれる現象が見られるが、これは、盗んだマンホールの蓋を売って取得することができる現金が、社会の下層にいる一部の人々にとっては、生計を立てるのに充分な額に当たるという事情があるためである。

この“逆「丁」字”型社会構造をもたらした主な原因として、李強氏は、中国の都市と農村の分離を挙げている。また、李強氏は、こうした社会構造が継続的な社会的緊張をもたらしており、秩序・治安の悪化、貧困、エイズ、売春を含む種々の社会問題のすべてが、この社会構造及びその結果としての社会的緊張から説明されうる、としている。

さらに、李強氏は、中国社会が“緊張”から“緩和”に転ずるには、この“逆「丁」字”型社会構造を根本から変えなければならないと強調している。

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