元中国国防長官:台湾問題で日米を叩き潰す

【大紀元日本8月20日】下記の文章は、4月23日に、www.peacehall.comで発表された、遅浩田氏(元中国国防長官、中国中央軍事委員会副委員長)のスピーチ原稿である。スピーチ原稿を書いた著者について独自に確認することはできないが、中国共産党が生残りをねらい、戦略を実践すると想定されることから読むに値するであろう。スピーチでは、米国の人口を減らし、将来の大規模な中共による植民地化政策を進めるために生物兵器を使用する必要性を論じている。同様の趣旨である、同氏の論文「戦争は遠からず、我々の時代を生み出す」も4月23日にwww.boxun.comに発表された。この論文は、大紀元日本で8月10日付の「ネットにリークされた、中共軍部の危険思想」で分析されている。

同志の皆さん、

このテーマについて述べるのは、非常に気が重い。このことは、何度も外部勢力の打撃および直接の侵略により中断された中国の近代化の過程と直接関係している。最も典型的な例は、1927-1937年のいわゆる「黄金の10年」である。この黄金の10年は、今から見れば、少しも黄金の輝きが見えない。1931年の9・18事件以来、東北が占領されて、また、冀東に偽政権が設立された。1927-1937年の間に、中国の経済発展速度はわりに速く、基盤施設の建設にもかなり進展があり、軍隊建設も明るい兆しが見えて、中国に少しの希望をもたらした。しかし、日本はこれを受けいれることができず、東北の3省を占領するだけにとどまらず全面的な中国侵略戦争を始めた。中国は、国が焦土になる覚悟で8年間の強いられた苦しい抗争に耐えて勝利を得た。しかし、日本の侵略により 外モンゴルの領土も失い、財産の損失が6000億ドル以上になった。8年の戦火の蹂躪を経て、もともと貧弱であった中国は、更に疲弊 した。日本の全面的な中国侵略戦争は、大幅に中国の近代化過程を遅らせた。中国の発展を受け入れられず、中国の近代化を妨げるのは、列強、特に日本の不変の国策である。

このことに関して最も痛切な歴史教訓がある。国と国の間に協力関係はありうるが、もっと本質的な関係は、競争、衝突および衝突の極端な形式――戦争である。協力は一時的なことで、条件付きのことである。競争と衝突は、絶対的なことで、歴史の主軸である。「平和と発展が現代社会の主題である」という言い方は、完全に間違っている(せいぜい一時的な謀略である)。この言い方は、検証できる理論根拠もなければ、事実と歴史の経験にも符合していない。中日両国は、地理的にも、歴史的にも宿敵関係であることは言うまでもない。

60年代の中露関係でさえ、結局分裂してしまった。このことは、いかなる国家も、すべては国益追求を唯一の行動規範にしており、道徳の存在する空間が少しも残されていないことを明示している。中露両国は、共通のイデオロギーがあり、共通の敵に直面していた。しかも、当時中国の低い科学技術水準は、ソ連に対して何の脅威にもならなかった。にもかかわらず、中露はやはり分裂し、しかも激しい対立の関係になった。その原因はたくさんあるが、根本的な原因は、ソ連が、日々発展して強大になりつつある中国が 自国と肩を並べることに耐えられないのみならず、その可能性の存在さえも許さなかった。

共通のイデオロギーを持ち、共通の敵があり、国力の強さも完全に異なる中露両国さえも、分裂せざるをえなかった。このことは、「平和と発展が現代社会の主題」という呪いの言葉に従っている現在中国の政略、戦略および外交の虚幻性、脆弱性、危険性を証明している。

平和と発展が現代社会の主題であるという言い方は、完全に間違っており、片思いにすぎず、精神麻酔作用がある有害な学説である。その理由は、次の通りである:

一、中国の近代化を阻止することは、列強の一貫した国策である。

中国の近代歴史の経験、教訓、および中華人民共和国の50年の歴史経験と教訓から、ひとつの歴史的な法則を得ることができる:列強が中国の近代化の過程を妨害する(全面戦争の手段を含む)ことは、列強の一貫した国策である。これは、過去の160年間がそうであったし、今後の160年間も不変である。

二、発展は危険と脅威を意味しており、「戦争権」がなければ発展の権利もない。

発展は、危険と脅威を意味している。これは世界史の法則である。中国の歴史に限って特例がある。例えば、漢王朝は、当時の地理条件上可能な限り、すべての相手を打ち負かした後、「扉を閉めて」発展することが可能であった。そのような状況下で「天下主義」思想が生まれた。それは、人口、軍事、経済、文化のあらゆる面から見て、漢王朝と肩を並べる族群、また、その潜在素質がある族群さえも見当たらなかったからである。

戦国時代においては、ひとつの国の発展は、別の国に対して脅威を意味している。これこそ、世界歴史の法則であり、西側諸国の外交の核心と基盤である。西側諸国の外交の元祖は、フランスのリシュリュー枢機卿である。彼は初めて外交の領域で「中世の『愚かさ』から脱け出し、道徳と宗教の束縛を捨て、すべて国家利益を軸心にして回転する」現代外交の方針を創始した。それによってフランスは200年あまりのヨーロッパ支配を享受した。彼が画策した30年の戦争は、ドイツの国民を無残に蹂躙し、ドイツを小さい国々 に分裂させ、長い動乱状態を強いた。この状況は、ビスマルクがドイツを統一するまで続いた。ドイツの統一過程は、ビスマルクの「戦争権」がなければ、国家の統一もなく、更に発展権利もないことを証明した。

三、軍事力の保護の下の現代化は、中国の唯一の選択である。

中国脅威論は、典型的な西側の思惟である。「我々が(扉を閉めて)自国の経済を発展するだけで、誰かに何か悪いことでもあるのか?」このような中国式の思惟方式は、愚かなだけではなく、国際的にも通用しない。戦争による国家利益優先という残忍な領域にはいかなる温情も許されず、誰かがわずかの幻想を抱いていれば、その人は、歴史の残酷な懲罰を受けることになる。中国の発展は、日本などの国にとって勿論脅威である。日本などの列強の「国際法則」化された根強い思惟を変えることは不可能である。従って、我々の思惟の出発点は、中国の発展が日本などの国に対して脅威であるという事実に置くべきである。

道理からいえば、すべての国家、民族にはみな生存権、発展権がある。中国は、経済発展に伴い、石油の輸入が必要になり、自然生態を保護するためには、一時的に森林伐採を禁じ、材木などの原材料を輸入しなければならない。これは至極当然のことである。しかし、列強には、列強の「理」がある。中国のような大国で、もし、2010年に石油の輸入量が1億トンまで達し、 2020年にさらにその輸入量が2億トンまで達したら、列強はこれを容認するだろうか。

基礎的な生存資源(土地、海洋を含む)を奪い合うのは、歴史上の大多数の戦争の根本な原因である。今の情報化された時代において、少し変化はあるが、本質的な変化はありえない。発達、先進、文明の国であっても、例えば、イスラエルは、やはり領土を拡大するために(水源の争いを含む)、アラブ諸国やパレスチナと50年間戦争を続けており、今日まで一日も止めたことがない。同様に、中国は、発展の権利を獲得するために(中国人が永遠に貧困を納得し、発展の権利さえも放棄したら別にして)、戦争を覚悟しなければならない。これは、我々が決める問題ではなく、更に私達の中の何人かの善良な人々の善良な願望により決定される問題でもない。実際には、これは「国際慣習」と列強によって決定される問題である。

中国にとって、20年来の平和と発展の政策は、すでに終りに達した。国際環境は、すでに本質的な変化が起こり、列強は、すでに再度中国の近代化阻止のための準備をしている。中国が自国の発展権利を守りたければ、戦争の用意をしなければならない。戦争の手段しか発展に必要な空間と時間を獲得できない。 20年来の平和なマドリガル式の牧歌的な発展はすでに終わり、次に上演する番組は、軍事力保護下の現代化しか残っていない。

四、外交は内政を決定する

現在、中国の最もタカ派の人でさえ、今すぐ戦争することを主張していないが、戦争を始める理由が十分にある。例えば、国家の統一戦争、南シナ海の権益を守るための戦争などである。中国にとって、160年以来の現在のこの発展のチャンスは非常に貴重であり、この発展のチャンスが日々脅威を受けるようになったら、必ず武器をとって、中国の発展権利を守らなければならない。

一般的に、内政は外交を決定する。これは間違いないが、この利益紛争の時代において、外交が内政を決定することもありえる。これは、理論上の論説だけではなく、中華人民共和国の歴史経験上の事実である。70年代に中国の国防支出は、科学、教育、文化、保健などの支出の総計よりも多かった(人民の生活は比較的に貧しかったから)。私は勿論現在中国の軍事支出が科学、教育、文化、保健の総計を超えるように望んでいない。実際、中国において最も投資すべきなのは、教育である。我々はもちろんより多くの予算を科学、教育、文化、保健に使いたい。しかし、列強がこれを許すだろうか?

ソ連の公開した秘密文書は、60、70年代にソ連が中国侵略の計画がなかったことを示していると称える人がいる。しかし、これらの秘密文書が正しいとしても、「歴史の真実」を説明することはできない。国際情勢は他の条件とともに常に連動している。当時、毛沢東指導下の中国が、十分な精神的、物質的準備をしたため、ソ連は対中国侵略戦争の危険性とコストが大幅に増加された。この条件があったから、全面戦争が避けられた。そうでなければ、歴史は完全に別の方向に変っていたかもしれない。弱者の方は、侵略を引き寄せやすい。この点から言えば、(強い軍事力こそ)、平和を守る本当の条件といえる。

五、善を求めているのに悪に報われて、これから10年中国は平和を保てるか?

中国の近代化過程を断ち切り、その発展権利剥奪のために、列強は様々な切り札を持っている。最も分かりやすい3つの切り札は、「三つの島」の問題である。中でも台湾は最も効果的である。台湾海峡での戦争がいつ勃発するか、決定権は私達にも台湾独立分子にもない。それは日米の手中にある。台湾海峡での戦争は、国家統一の戦いというだけではなく、深層には日米が中国の発展権利を剥奪し、再度中国の近代化過程を断ち切るという目的がある。甲午戦争(日清戦争)のように、日本が全面的に中国を侵略するのは、領土の割譲、金銭の賠償を狙うことだけではなく、根本には中国の近代化過程を断ち切り、発展権利を剥奪することである。

戦略的な視点から、台湾海峡での戦争を考えてみると、我々の現在の軍事力は、日米に対して劣っている。特に米国に対してはまだ程遠い。中国はわずかに大陸間弾道ミサイルしか持っていないが、米国はすでにNMD(国家ミサイル防衛)開発の段階にある。

台湾海峡での戦争の勃発を阻止するため、或いは遅らせるためには、我々の戦略基点を 「対等の戦略決戦」の水準に上げなければいけない。つまり、共倒れの戦争プログラムである。もし我々が台湾海峡での戦争を勝ち取ることができなければ、その結果は、甲午戦争よりもさらに惨めになる。それを避けるには、戦争が起きたら、日本を全面壊滅させ、米国を機能麻痺させなければならない。この目的を達成するためには、核を使うしかない。

善を求めて悪に報われたら、以上に述べたことが、我々の政策の最終的なシナリオである。悪を求めて善に報われるために、全面的に日本を潰し、米国を機能麻痺まで叩き潰すしかない。台湾問題は10年も引き伸ばすことはできない。10年以内に必ず大戦がある!

六、覇権は大国にある本質の特徴である

大国とは、何か。覇権がある国は、即ち大国である。覇権がなければ、他人に任意に分割されたり、運命(発展の権利を含む)が、人形のように他人に操られるしかない。覇権は、この戦争優先時代において客観的に存在し、「人の意志で変えられるものではない」。問題は、これを意識しているかどうかであり、能動的にこれに対処するか、或いは受動的にこの問題の到来を待ち受けるかである。中国のすべての問題は、「三つの島」、戦略的な産業発展、国内の各階層の利益分配を含めて、根本的には中華民族の覇権闘争である。

覇権闘争のために、我々は内部の闘いを止めて、団結、安定を保たなければならない。英国は、海外植民地の巨大な利益により、早々に「労働者階級の貴族化」を実現した。日本は、中国から獲得した巨額な賠償と商品市場により、上層階級、下層階級共に巨大な利益を得た。時代は変り、国情も異なってきたが、本質に変りはない。我々は、覇権の視点から軍事、外交の問題を考えるだけではなく、国内の階層、階級の利益分配問題を考えなければいけない。この戦乱の時代において、ただ国内の下層階級を圧搾、搾取する上層の精華階級は、民族利益の代表ではない。彼らは、腐っており、没落しており、たいしたことができない。このような精華階級は制限されるべきであり、消滅されるべきである。一方、知恵がある、成熟した上層階級は、民族利益の代表になれる。彼らは、国内で「譲歩政策」を実行して、下層階級を導き、共に海外の利益を獲得することができる。(この問題は比較的に複雑なので、後に詳しく述べる。中国は巨大な海外利益がある。ただ我々はまだ積極的に能動的に開発を行っていないだけである。)

関連記事
昭恵さんが訪米し、トランプ夫妻との会談を実現。各界から感謝の声が寄せられる中、トランプ氏は石破首相との会談を打診しました。
岩屋毅外相が24~26日の日程で中国訪問を検討中。日本産水産物の輸入再開や在中日本人の安全確保などを議題に、王毅外相と会談予定。中共との対話では成果が見えにくい課題も多い。
「安倍昭恵さん(安倍元首相の未亡人)がマー・ア・ラゴを訪れ、ドナルド・トランプ氏とメラニア夫人との夕食に出席された際に、お会いして敬意を表することができたのは光栄でした。日本の皆様に心よりお悔やみ申し上げます」とマスク氏は自身のXアカウントで綴った。
トランプ次期大統領は16日、石破茂首相に「会いたいと思っている」と述べ、就任式前に会談を行うことに前向き。また、日本について「非常に重要」だと語った。
トランプ次期大統領は、実業家ジョージ・グラス氏を次期駐日大使に指名した。グラス氏は過去に駐ポルトガル大使を務め、中国に対する強硬な姿勢で知られている。この人事は日米関係と対中政策に影響を与える可能性があり、特に日中間の緊張が予想される。