高智晟弁護士、中国当局に法輪功迫害の中止を呼びかける
【大紀元日本10月26日】高智晟弁護士が18日、中国共産党総書記の胡錦涛氏と首相の温家宝氏宛てに、嘆願書を進呈したことが明らかになった。嘆願書には、大量に詳細な調査材料が提示され、中国当局による法輪功の集団迫害は、すでに国家と全民族に対する迫害と化していることを指摘した。この嘆願書はネットサイトで公開され、大きな反響を呼び、国内外の民衆やメディアの注目の焦点となった。しかし、弁護士本人も再度中国当局から恐喝を受け、危険な状況に直面しているという。
法輪功の鎮圧はすでに全中華民族に危害が及ぶ
高智晟弁護士は強権を恐れずに、多くの社会弱者の弁護を完全無料で引き受け、正義を勝ち取ったことで名を知られている。10月中に、高弁護士は法輪功学習者が受けている迫害の真相を調べるために、極秘に全国各地を回り、数多くの案件を調査した。後に彼は中国当局の主導者に調査結果をまとめた嘆願書を進呈し、一刻も早く迫害を止めるべきと呼びかけた。
今年年初にも高弁護士は中国人民代表大会の委員長・呉邦国氏宛てに法輪功問題に関する嘆願書を提出したが、当局からはまったく返答がなかった。同氏は「6年間の鎮圧の中、被害者は法輪功学習者とその家族だけでなくなり、傍観者と迫害に参加するものたちは、人間の理性が完全に喪失されつつ、社会的な道義と法律価値が完全に崩壊された。」と繰り返し強調した。
こんな中国人には、なかなか出会えない
高智晟弁護士は、自分の成長過程と弁護士経歴の中で、多くの苦痛を体験し、強い人間であると自負してきたが、しかし今回の調査で、法輪功学習者における言葉にできない悲惨な遭遇と苦難に直面し、心が捻られ涙が止まらないと心情を語った。
数多くの実例の中に、王徳江さんの調査記録の一部が引用された。
王さんは北京で法輪功の冤罪を直訴しようとしたため逮捕された。当初、中国当局は直訴者に名前を吐かせるために、取り調べ警官に対して、1つの名前につき高額奨励金2000元(日本円3万円、警官の月給に相当する)を支給するとした。警官は王さんに「2000元のために、おれは絶対あなたを見過ごさない。あなたに名前を吐かせる方法は山ほどある。」と脅迫し、氷点下の気温の中、王さんは十数時間も全身裸でジープに縛りつけられた。それでも屈服しなかった王さんは、刑務所に投獄された。同じ囚人部屋には17人の殺人犯や、強盗、強姦魔がいたが、警官が彼らにひとしきり耳打ちした後、この人たちは不気味に大笑いしながら、服を脱ぎ裸になり、猥褻な言葉を口に王さんに襲いかかってきた・・・。「そのときのことは、地獄としか言いようがない。」と王さんは当時の状況を語った。
嘆願書に記された同様の案件は40人近くいた。両親が当局に拉致され、行方不明になった10歳の男の子・童元珪ちゃんなどなど、数多くの被害者がいた。
高智晟弁護士は、「我々が法輪功学習者のような中国人に出会えることは非常に少ない。信念と尊厳のために、彼らは普通の人間がまったく想像できないほどの絶大な犠牲を払い、忍耐強く頑張りぬいて平和抗争し続けてきた、彼らの勇姿を前に、強力な国家機器は完全に機能を失っている。」と法輪功学習者を称賛した。
中国当局の籠には13億の中国人が囲まれている
嘆願書が公開された後、高弁護士を応援する電話が数多くかけられて来たが、一方脅迫メッセージも届けられた。
調査報告書に記録された迫害の悲惨さに多くの読者は、「全部読み通すのがつらくてたまらない。」と語った。ある人は「この嘆願書は人類を噛み殺している狼に、美しい文言で人間を襲うのをやめようと説得している。」と無念さを顕にした。最も多くの人たちは、声援の気持ちを表すと同時に、高弁護士の身の安全を心配しているという。ある匿名電話では「あなたは多くの迫害真相を知っているが、我々も多くの真相を把握している、例えあなたの子供はどの学校に行っているのか、通学手段は何なのかなどなど、我々は全部知っている・・・」と脅した。
高弁護士は「制御を受けない強権は、虎狼よりもさらに怖い。中国では上申することは危険だが、沈黙していれば安全は守られるのか?アメリカのブッシュ大統領は最近のある演説で、『人類の最大の成功は統治者を籠に入れたことであり、自分は籠の中から国民に話しかけている』と形容したが、民主国家では、籠にいるのは統治者だが、中国の籠には13億人の中国人が囲まれている」と鋭く現実を暴いた。