中国当局、鳥インフルエンザ専門家の研究室を閉鎖

【大紀元日本12月16日】中国当局は14日、鳥インフルエンザ研究の第一人者、管軼助教授(香港大学微生物学科)の中国国内の研究室を閉鎖したと公表し、理由は「国の規定に反したため」と説明している。

中国農業部獣医局・賈幼陵局長は、今年上半期に三つの「高病原性ウイルス研究室」に対して処分を下し、鳥インフルエンザの関連研究の中止を命じ、中国汕頭大学にある管軼助教授の研究室も含まれている。

賈局長は「公共衛生を保障し、またテロリストに利用されないように、どの国でも同様な研究室は国の管轄下に運営されている」と今回の閉鎖理由を説明したが、関係者らは、管氏は度々中国政府鳥インフルエンザの発生状況を隠ぺいしたことを暴露したためと分析している。

管軼助教授は、SARS及びH5N1鳥インフルエンザ研究の第一人者であり、世界的にその名が知られている。2003年に重症急性呼吸器症候群(SARS)が大流行の際、伝染源は中国のハクビシンであると突き止め、流行の歯止めに重要な役割を果たした。今年7月、英科学誌「ネーチャー」で、中国青海省で発生した鳥インフルエンザは、世界に危険をもたらす恐れがあると警告し、中国南部から広がる可能性が高いと見ており、伝染の拡散状況を予測した。その後、中国当局は、全国9省26箇所で鳥インフルエンザ感染が確認されたと発表した。

米誌「タイム」は10月号で「鳥インフルエンザ・ハンター…管軼」と題する記事を掲載し、「管軼助教授は過去5年間に、研究チームと共に約10万個の禽鳥サンプルを集め、250種類以上のウイルス遺伝子を組み立て、鳥インフルエンザウイルスの拡散構図とウイルス変異の仕組みを突き止めた」と報じ、同誌に「人類を救った世界の英雄」の1人として選ばれた。

管軼助教授は以前、海外メディアの取材に応じた際、「中国本土に鳥インフルエンザウイルスのテストができる研究室が一つしかなく、中国政府は自らの利益のために、情報公開を拒み続けている。彼らは鳥インフルエンザ発生が暴かされることを政治体制の存続に対する脅威として受け止め、感染拡大に最善な努力を尽くしたと再三にアピールしてきた。しかし、多くの証拠によると、中国の多くの地区で鳥インフルエンザが発生したが、当局は公表していない」と暴露し、「中国での鳥インフルエンザ感染拡大は、政治体制が生み出した人災であり、中華民族は一部の害虫にむしばまれ、国民は最大の被害者である」と厳しく批判した。

関連記事
ミャンマーが壊滅的な地震に見舞われている中、中国共産党は静かに影響力を強めている。軍事政権に武器を供給し、人道支援を妨害し、危機を利用して習近平の「一帯一路構想」世界拡大戦略を推し進めている。
米国防長官がパナマ運河の戦略的重要性を強調し、中国共産党(中共)の影響排除を表明。米中の地政学的対立が中南米にも波及。運河を巡る緊張が高まる。
トランプ米大統領が関税拡大を進める中、スペインのサンチェス首相は4月9日からベトナムと中国を訪問する。日本では公明党の斉藤鉄夫代表が4月22日から25日にかけて中国を訪問する予定だ。
オーストラリアのアルバニージー首相は9日、中国側が呼びかけたトランプ米大統領の関税政策への“共闘”提案を拒否した。独自の外交姿勢を強調し、対中協調には応じない姿勢を明確にした。
米国とパナマが安全保障覚書に署名。米軍艦にパナマ運河の優先・無料通行権を付与し、中国共産党の影響力に対抗する。