「氷点週刊」に停刊処分、高まる非難の声

【大紀元日本2月19日】中共外務省スポークスマン秦剛氏は2月16日の定例の記者会見で、中国青年報が発行する「氷点週刊」に掲載された「現代化および歴史教科書」の文章は、歴史事実に反しており、中国人民の感情を害し、中国青年報のイメージを損なうとして、停刊処分をしたと述べた。

しかし、「氷点週刊」は今年の1月24日、停刊処分を受けてからも、毛沢東の助手・李鋭を含む13人の前中共高官、編集者、弁護士など国内外各界の有識者からの非難の声が殺到し、中共当局は大きい圧力に直面している。

停刊された理由

問題とされた中山大学・袁偉時教授の文章では、20世紀70年代末、反右派、大躍進および文化大革命の三大災難を経験した人々は、これら災難の根源の一つが「我々はオオカミの乳で成長した」ことであると指摘した。しかし、20数年が過ぎた現在、中国の中学歴史教科書の内容から、現代の青少年もなお引き続き「オオカミの乳で育てられている」ことに驚いたと述べた。

袁氏は、中国の中学教科書内容が偏執的愛国主義であると非難し、伝えるものは外国人が全員侵略者で、中国人の行うことがすべて正しいという教育の仕方を強く批判したことが問題視されたとみられる。

同氏は、現在の歴史教科書の内容と異なる見方を示し、「大平天国」および「義和団」を厳しく批判した。同氏は「義和団を謳歌した悪い結果は、文化大革命時代ですでに現れていた」と述べた。また、「我々は歴史の真実を青少年たちに伝える責任があり、彼らが現代国民になるために避けては通らないことだ」と示し、偽りと偏見の教育で育てられた青少年は、誤って邪道に陥りかねないと強調した。

同氏は、「義和団」事件は「愛国行為」ではなく、「文明を逆らう行為」、「盲目に外国人および外来文化を排斥する愚かな行為」であると指摘し、「無実な人々を虐殺し、家を焼き払い、金品を略奪する行為」であることを教科書で明白にしていないことを非難した。同氏は、今日、野蛮な行為を「革命」と称し、現行国際条約を遵守する主張を国を裏切る投降の主張だと見なしていることは、「義和団」そのものであると強く批判した。

「氷点週刊」停刊後、非難の声殺到

「氷点週刊」停刊後、李大同氏のブログも削除されたため、大陸記者、編集者、民衆、知識界および中共体制内の人々の非難を引き起こし、数千人による連名応援声明が公開され、各界の有識者、弁護士らも連名で「悪質新聞統制を廃除せよ」の発表が行われた。また、海外のメディアも注目し、状況の変化を続報している。

氷点週刊編集主幹ら免職、新聞研究所へ人事異動

2月16日午後、中国青年報の中共党チームが7項の決定を下した。氷点週刊の李大同氏、盧躍剛氏編集主幹が免職され、新聞研究所への人事異動が発表された。代わりに陳小川氏が編集主幹となる。氷点週刊の3月1日に復刊し、第一号は「現代化および歴史教科書」一文の著者・袁偉時氏に対する批判の文章が掲載される予定。総編集長・李而亮氏は中共党チームに対して、編集委員会が中共中央宣伝部に対して厳密な検査報告を行ったという。

李大同氏は、天安門事件(六四事件)89年、新聞報道の自由を求める千人記者署名の活動を発起したため、免職され新聞研究所へ3年間左遷された経験があった。当時、中国青年報が「学生は暴動を起こしていない、我々は暴動に反対しているのだ。暴動を望む裏幕があるのだ。」の横断幕を出した。

新聞研究所は、所属する新聞社の新聞は転載されたか、規範に適合しているかどうかの調査をする場所である。

「氷点週刊」復刊後の行方が憂慮される

内情を知る者によると、復刊後の最初の文章が袁氏に対する批判のものである限り、その後の週刊の内容は、これまでと大きく異なることが予測されると示した。北京の浦志強弁護士は、「個人として、非常に残念な結果であると思う。我々がやっと希望が持てる時に、いつも望みの綱が切れるのだ。」と語った。

 (記者・趙子法)
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