独中首相会談:メルケル独首相、中国人権問題を再提起
【大紀元日本9月16日】メルケル独首相が今年5月の訪中したことを受け、ドイツを訪問の中国・温家宝首相は9月14日にドイツ・ベルリンに到着し、ホルスト・ケーラー大統領と面会後、メルケル首相と1時間の会談を行った。会談後の記者会見で、メルケル首相は中国の人権問題を再提起したことを明らかにした。
メルケル首相は、中国の人権状況を懸念し、特に2008年北京オリンピックの開催にあたり、中国が報道の自由を保障する意義がさらに重要であることを強調した。温首相はこれに対し、「中国は憲法で、人民の基本的権利および自由を保障することについて明確にしている」と語った。しかし、実際に中国国内で現在起きている人権迫害、報道の統制に関する改善承諾は一切なかった。 メルケル首相は5月の訪中で、シュレーダー前首相の対中国外交姿勢とは違い、公的に中国の人権問題を明確に提起し、中国の民主活動家および上海のカトリック教・金魯賢司教と会談した。
メルケル首相は、今回の会談は非常に「開放的」と語り、首相は双方の意見相違の問題について率直な意見交換ができたことに対して、「双方が良好な関係を築く重要な基礎だ」と評価した。
*独中の知識財産権協定を結ぶ
独中の国交は来年で35周年になる。ここ数年間、独・中貿易発展の速度は大幅に成長し、過去2年間の両国間貿易額は700億米ドル(約8兆1900億円)に上った。しかし、ドイツ企業側は、中国側は技術を窃盗する事件が後を絶たないと不満を抱いており、貿易摩擦などの問題があったが、14日付けで知的財産権保護協定が調印されたことから、メルケル首相は記者会見で特別に中国国家知識財産権局およびドイツ特許局に対して歓迎の意を述べた。
*中国はイランを保護
独・中はさらにイランおよびスーダンを含む国際社会が注目している問題について討論を行った。イランは8月31日に国連のウラン濃縮停止要求を拒否してから、中国はイランの核問題に対する態度は国際の注目を集めた。
温首相はこれに対して、制裁は必ずしもイランの核問題を解決できる訳ではないとの見解を示した。温首相は「中共当局はイランの核開発の発展は好まないし、それにより中東和平および国際平和に影響を及ぼしたくない」と語った。さらに、中国はイランに対して「国際社会の関心を重視し、建設的な措置を講じるべき」と語った。
一方、スーダンの動乱局面も国際社会の神経を尖らせる問題。2004年以降、スーダンの内戦による死者はすでに20万人の上り、200万人が離散し、落ち着く場所がなくなっているという。スーダン政府および民兵組織は、反体制派を弾圧したことから、大量虐殺の罪を下された。西側社会は、中共当局は自己利益のためにスーダン政府を庇護し、国連がスーダン問題解決の決議通過を阻害したとして、強く非難した。
スーダンの問題に対して、温首相はベルリンにて国連の平和維持軍に中国軍隊を派遣し、ダルフール地区の安全を維持するか否かは、国連憲章に基づき判断する、もっとも必要は、「アフリカ連盟およびスーダンの同意」を得ることが最重要であるとの意見を示した。実際、少し前に、スーダンのオマル・アル大統領が、一旦国連平和維持部隊がダルフール地区に入れば、スーダン政府はそれを「侵入」とみなすとの声明を発表した。
温首相は14日の午後、ベルリンを出発し帰国した。