【大紀元日本11月2日】さわやかな秋風の吹く季節、小学校の同級生の香里ちゃんと真美ちゃんは、いつものように一緒に遊んでいます。
ところがある日、香里ちゃんが「先生、真美ちゃんが無視してくる・・・」と困って言いました。「あら、どうしてなの」と聞いても無言のまま。真美ちゃんを呼んで、「香里ちゃんと何かあったの」と聞くと、「香里ちゃんが悪口言ってくる」と、こちらも困った様子。二人は言い合いになってしまいました。。
香里「私が何を言っても、真美ちゃんが無視するの」
真美「無視してないよ、香里ちゃんが悪口言ってくるんでしょ」
香里「無視してきたもん・・・」
真美「そっちが先に言ってきたんでしょ」
とうとう香里ちゃんは「わーん」と泣き出してしまいました。先生は、「二人ともずっと、そっちが悪いと言い続けていなさい」と、少し厳しい口調で言いました。すると、二人とも黙り込んでしまいました。
しばらくして先生は、「このままでは仲直りできないでしょう。こういう時はね、どちらも相手を傷つけるような事をしているのだから、まず自分が良くなかった所を先に言えるのが素晴らしいことなのよ」と優しく教えました。
先生は様子を見ていましたが、二人とも普段は気が強い女の子で、なかなか自分の悪かった所を認めようとしません。そのままじっと黙って待っていました。すると、ずっときつい表情で怒っていた真美ちゃんが、声をあげて泣きながら、「無視してごめんね…」と香里ちゃんに言いました。香里ちゃんも再び声をあげて泣きながら、「私も、悪口言ってごめんね」と言いました。我慢の糸がぷつんと切れたように、二人は一緒に声を揃えて思い切り泣きました。
先生はすかさず、真美ちゃんに「よく先に自分の悪かった所を言えたね」と言って、頭をよしよしと撫でました。そして、香里ちゃんにも「あなたもよく言えたね」と言って頭を撫でました。そして、心を打ち解けあった二人は、握手をして仲直りできました。二人の顔はとてもスッキリしていました。
それからというもの、二人は以前にも増して、とっても仲良しになりました。秋風に気持ちよく揺れる二輪のコスモスのように、二人の女の子の心も明るくきれいに澄み切っています。
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