中国 精神的不調で休学する子どもが急増

中国の教室で何が 「突然学校へ来なくなる」子供たち

2026/05/13 更新: 2026/05/14

中国の小中高校で、不登校や休学が急増している。北京や上海などの大都市では特に深刻で、毎日学校に来る生徒がクラスの半分以下になった例もあるという。

中国メディアや教育関係者によると、ここでいう不登校には、正式に休学届を出した子供だけでなく、長く欠席している子供、時々しか登校できない子供、学籍だけ残して実際には学校に来ない子供も含まれる。表に出る数字より、実態はさらに深刻なようだ。

北京で6年間、学習塾講師をしている男性が、現場の異変を明かした。

講師によると、北京では毎年春になると、クラスから突然「消える」子供が出るという。最初は体調不良による一時的な欠席だと思っていたが、実際には、多くが精神科で知られる北京安定医院の「休学外来」に通っていた。海淀区のある学校では、中学3年の後半になると、クラスの半分以上が不登校状態になっていたという。

こうした子供たちは、いわゆる「問題児」ではない。たばこや暴力とも無縁で、ゲーム依存とも言い切れない。ただ、ある日突然学校へ行けなくなり、一日中ベッドでスマートフォンをぼんやり眺め、何にも興味を示さなくなるという。

講師は、子供たちは「壊れた」のではなく、「限界まで消耗してしまった」のだという。これは一人の子供の問題ではなく、激しい受験競争、北京の中間層家庭に広がる階層不安、そして将来への出口が見えにくい社会環境が重なった結果だと指摘している。

中国メディア「21財経」によると、中国の小中高校生の休学率は5年前より240%増加した。そのうち約7割が、精神的な問題に関係していたという。

北京・海淀区では、2023年だけで心理問題による休学者が2千人を超えたとの報道もある。ある重点中学では、休学率が10%に達したという。

上海市の公式データでは、6~16歳の在校生の精神障害の割合が17.5%に達し、全国で最も高い。深圳でも、180万人余りの小中高校生のうち、2万人以上が休学状態にあるとの推計が出ている。ただ、これは正式に休学手続きをした子供だけの数字にすぎない。長期欠席や、時々しか登校できない子供まで含めれば、実際の不登校はさらに多いとみられている。

以前は中学生や高校生に多かった不登校や休学だが、最近では小学校低学年の子供まで学校へ行けなくなるケースが増えている。受験競争や学業の重圧、いじめなどに追い詰められた子供の飛び降り事件が各地で続いており、一部の学校では自殺が続いたことを受け、試験そのものを取りやめたケースも報じられている。

中国のネット上では、いま「休学」が大きな話題になっている。短動画サイトでは関連動画の再生回数が32億回を超え、「休学」を検索する回数も月180万回、1日平均で6万回に達している

「休学」という検索の一つ一つの裏には、苦しみの中でもがく一つ一つの家庭がある。突然、学校へ行けなくなったわが子を前に、「どうすればいいのか」と答えを探し続ける親たちの悲鳴でもある。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!
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