親であれば常に子どもを愛し、立派に成長してほしいと願うものです。しかし、過度な保護は過度な養育へと変わり、子どもが自信や回復力を身につけるために必要なスキルを弱め、正常な成長に影響を及ぼす可能性があります。
では、親が過度に養育しているかどうかはどのように分かるのでしょうか。心理学者によれば、5つのサインから判断できるといいます。
米国の臨床心理学者で作家のメレディス・エルキンス(Meredith Elkins)氏は、CNBCのウェブサイトへの寄稿で、「過度な養育」とは、過干渉と過保護を指し、「世界は危険であり、大人の支えがなければ子どもは困難に対処できない」というメッセージを絶えず子どもに伝えることだと述べています。
エルキンス氏は、このようなやり方は子どもの自信を損ない、依存心を強め、不安を増大させると指摘しています。
過度な養育の根源は何か?
ハーバード大学医学部(Harvard Medical School)精神医学科の心理学准教授コートニー・ビアード氏は、「今日の心理学」のウェブサイトに掲載した記事の中で、過度な不安を持つ親の養育行動が原因であるとするのが最も理解しやすいと述べています。
実際、過度な養育は親が抱える多くの一般的な不安を和らげることがあります。例えば、子どもの成績を心配する親は、宿題を手伝ったり、場合によっては子どもが自分でできるにもかかわらず代わりにやってしまったりすることで、不安が軽減される可能性があります。
親が子どもを過度に甘やかすと、その行動は子どもの実際の要求を超えてしまうことがあります。不安を抱えた親ほど、過度な養育行動に陥りやすい傾向があります。

過度な養育の5つのサイン
エルキンス氏は、以下の5つのサインが、あなたが過度な養育をしている可能性を示していると述べています。また、改善方法も示しています。
• 子どもが試みる前に、すでに問題を解決してしまう
子どもが困難に直面すると、多くの親は本能的に介入します。授業の負担を減らすよう交渉したり、友人の親と連絡を取ったり、スケジュールを調整したりすることがありますが、その目的は子どもの不快感を最小限に抑えることです。しかし、子どもに挑戦し、失敗し、自ら成功する機会を与えなければ、自信を持って問題を解決する力は育ちません。
正しい対応:解決策を提示する前に一度立ち止まり、「あなたは何を試せると思う?」と尋ねてください。これにより、子どもの自立した思考を促し、自分の考えが大切にされていると感じさせることができます。
• 結果を重視しすぎて、学習過程の価値を軽視している
過度な養育は、失敗を防ぐこと、感情をなだめること、成功を保証することなど、結果を過度に重視し、挫折への対処法を教えることを後回しにしがちです。
例えば、完璧なパートナーと組めるように教師と話し合ったり、コーチの判断に不満をぶつけたり、作品が完璧になるように工作のすべての工程を細かく指示したりすることが挙げられます。しかし、本当の成長は期待を少し下げ、子どもが変化に適応することから生まれます。
正しい対応:子どもが失敗することを許してください。忘れた宿題を急いで届けたり、成績が悪いことで言い争ったり、うまくいかなかったからといってお菓子を買い与えたりしないでください。問題を解決し、環境に適応し、そこから学ぶことを支援しましょう。
• 子どもをネガティブな感情から守ろうとしすぎる
多くの親は、子どもが不安や悲しみ、落胆を経験すると傷つくのではないかと心配します。そのため、絶えず安心させたり、気をそらしたり、すべての問題を「解決」しようとしたりします。しかし、つらい感情は人生の自然な一部であり、それに対処することは健全な成長に不可欠です。
正しい対応:その感情を自然なものとして受け止め、言葉にしてあげたうえで、子どもが対処できると信じている姿勢を示してください。「落ち込むのは当然だよ。でも、あなたならきっと乗り越えられる」と伝えることができます。

• 子どもを有能ではなく、弱い存在だと想定している
気づきにくい過度な養育の一形態は、子どもがどこまで対処できるかではなく、「どこまで耐えられないか」という心配に基づいて期待を調整することです。
子どもを不快な思いにさせないために基準を下げ、練習や授業、日常活動への参加を免除したり、すべてのフィードバックを和らげたりします。
その場では一時的に楽になるかもしれませんが、「弱い存在だ」という前提は、子どもに自分は弱いのだという印象を与えてしまう可能性があります。
正しい対応:自分の期待が子どもの年齢や能力に見合っているかを自問してください。直面している課題は本当に危険なのでしょうか、それとも単に不快なだけでしょうか。成長を助ける支援を行い、あらゆる困難から守ろうとしすぎないことが大切です。
• あなた自身の不安が、子どもの成長ではなく行動を動かしている
多くの過度な養育行動は、親自身の不安や失敗、評価、将来への恐れから生じています。例えば、宿題がうまくできていないのではないかと過度に心配することなどです。善意から出た行動であっても、子どもはそれを「自分への信頼がない」と受け取り、自分の能力を疑う種を心に植え付けてしまうかもしれません。
正しい対応:立ち止まって「これは本当に子どもの安全を心配しているのか、それとも困難に直面する姿を見るのが怖いのか」と自問してください。すぐに解決策がなくても不快感に耐える姿を示し、手本となることが大切です。
エルキンス氏は、過度な養育は多くの場合、愛と保護の気持ちから生まれるものだとまとめています。しかし、あらゆる挑戦から子どもを守りすぎることは、避けたいと願う不安をかえって強める可能性があります。重要なのはバランスです。親は支配するのではなく、導き、支え、信頼をもって子どもを育てるべきだとしています。
(翻訳編集 解問)
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