「皮肉なことだ」、SARS隠蔽した中国代表がWHO事務局長に=香港患者権益協会が批判

【大紀元日本11月10日】世界保健機関(WHO) 執行委員会34カ国代表の非公開投票により次期事務局長に選出された陳馮富珍氏(59)について、香港患者権益協会は、同氏が2003年の香港SARS流行の際に職務怠慢で、逃れられない重責を負っていた当事者であると指摘し、WHOのトップに選出されたことは「皮肉なことだ」とコメント、中共当局の金銭外交が政治権益の獲得に功を奏したと非難した。

今回は、中国当局が初めて候補者を推薦し、国連機関のトップの選挙に参加した。選挙期間中に、中国当局が全力で票集めの遊説を行った。11月4日に北京で開催した中国アフリカ協力フォーラムサミット会議では、胡錦濤国家主席がアフリカ諸国に陳氏への支持を働きかけ、WHO執行委員会のメンバーである8カ国のアフリカ票を全部手に入れることに成功した。

一方、陳馮富珍氏の当選は香港で論争を起こしている。香港前衛生署署長だった陳氏は、2003年SARS大流行の際に、適切な対応をせずに、中国当局の感染情報の隠ぺいに協力したと指摘され、WHOの事務局長の職務に相応しくないと非難されている。

香港患者権益団体:陳氏の当選は風刺的

香港の患者権益協会幹事・彭鴻昌氏は、2003年に発生し、香港で約300人の死亡に至ったSARSの香港での流行に、陳氏が逃れられない重責を負っていたと指摘した。当時香港衛生署署長であった陳氏は、「国家機密」との理由でSARS蔓延の情報を隠蔽し外部に公開しなかった。「感染源の追跡調査には非常に鈍感だった。感染が密集していた団地『淘大花園』を隔離する決定も後手にまわり、伝染病の条例を修正する動きも遅かった」という。

中共当局のSARS隠蔽方針を実行した陳氏の対応を、中国衛生部の黄傑夫副部長は当時「大局に気を配ってくれた」と評価した。

また、1997年鳥インフルエンザの初めてのヒト感染が香港で発見された際、当時香港衛生署署長の陳氏が、香港市民に、鶏肉を安心して食べるようにと発表した。その後感染が香港全体に広がった。

2003年8月、陳氏はSARS対応での失職により辞任した。2004年7月、香港立法会は陳氏の職務怠慢を非難する動議を発動した。陳氏は直後にWHOに転任したため、懲罰から責任を逃れた。また、陳氏はSARS死亡者の遺族に陳謝することを拒否し続けているという。彭鴻昌氏は「地域での伝染病感染の対応が、現地政府と社会から強く非難されていたのに、現在全世界を率いて、伝染病の制御や疾病予防を主管する国際重要組織の事務局長に選ばれること、我々は非常に皮肉なことである感じている」と述べた。

外部は、陳氏が当選後中共当局に偏り、伝染病感染情報の透明度が影響されると憂慮している。香港バプテスト大学の政治国際関係専門の陳家洛・副教授はメディアの取材で、「このような可能性を排除できない、彼女を推薦したのは中国当局だから」と語った。

中共当局が票集め

陳氏が今回当選できたのは、中共当局の全面的なバックアップの成果と多く見られている。胡錦涛・総書記は、中国と外交関係があるWHO執行委員会の会員国の首脳に書簡を送り、陳氏に支持票を投じるように働きかけ、中国アフリカ協力フォーラムやASEANなどの席で、参加諸国に陳氏への支持を要請したという。

中国駐ジュネーブの国連代表・沙祖康氏が、「中国は金で票を買う邪道を行うわけがない」との弁解に対して、彭鴻昌氏は、「どうしていまの時期に中国アフリカサミットを開催し、そしてアフリカ諸国の100億ドルの借款を免除したのか、金で支持票を買っていないと称しても、政治利益の交換であるのは明らかだ」と反論した。

彭鴻昌氏は、「陳氏が今後、世界の感染病疾患に対応する際に、真の国際機構の公務員として、自己の役割を十分に果たすよう、中国国内の感染病の情報公開を促し、中国当局の影響を受けないことを願っている」と進言した。

(記者・李真)
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