未払い賃金求める工員1000人、警察数百人が弾圧=中国浙江省杭州市

【大紀元日本12月26日】中国浙江杭州市で23日午後7時半頃、1000人に上る工員が、杭州朴樹服飾有限公司附近に集結し、同社の周公路・工場長により2か月間支払いが遅延されていた総額40万元分の賃金の支払いを求めた。目撃者によれば、警察数百人が出動し、工員6人が連行され、3人が負傷したという。

目撃者の楊建民さんによると、「午後7時40分、当局は警察数百人を出動させて弾圧した。警察は機動装備を使用し、工員を強制的に追い散らせるとともに、女子工員の髪の毛を掴んで車にぶつけるなどした。警察は、最終的に、謝付伸さん、馬賢齢さん、曹雪花さん、曹蘭さん、劉長健さん、曹元さんの6人を連行し、謝富生さん、劉長健さん、曹源さんの3人を負傷させた」と言う。

大紀元が杭州市上城区派出所に電話したが、「工員が暴動を起こしている」「誰も負傷者はいないし、逮捕もされていない」という。

工員の曹さんは、大紀元に対し、「工員は、既に2か月も賃金を貰っておらず、現在、数日間食事もとれない状況にある。加えて、工場長が、工員の賃金を支払わないために、家主は、工員を追い出そうとしている。工員らは、食べる物も、住む場所もない悲惨な状況に置かれている。今晩(24日)、100人余りの労働者が路上で夜を過ごさなくてはならない」と述べた。

現場からは、工員の叫び声が伝わってきた。ある工員は、警察が工員を逮捕する際、工員の目に向かってガスのようなものを噴射し、数人が一時的に失明したと憤慨していた。

曹さんによると、現場にはパトカー7、8台が到着。また、杭州市上城労働局が現場を訪れ、仲裁をしようとしている。彼らがやってきてからしばらくになるが、工員らは仲裁に応じず、抗議を続けているという。

また、本来の杭州朴樹服飾有限公司は、既に工場を怡園服装工場に転売しており、当初の工場長であった周公路は既に逃走している。現在の工場は、営業免許のないヤミ工場となっているという。

「もし問題が解決されないならば、私たちは必ず市政府、省政府に行って抗議する」と曹さんは語った。

現場を通りがかった浙江民主党党員・朱虞夫さんによると、公安が当初連行して行った数人の工員らは、非常に年配で、非常に温厚であった。その中には安徽省の者も混じっており、彼らは実家に戻って年を越す準備をしていた。しかし、彼らにそのお金はなく、非常に悲惨であった。彼らは皆、この2、3日食べるものがないと語っており、やむなく、こうした手段に訴えて自らの権利を守ろうとしたのであるという。

また、朱さんによると、附近には多くの工員が集結していたところへ、百人近い警察、武装警察が駆けつけた。現場の公安は、賃金の支払いを求めていた婦女を強制的に車に引っ張っていったという。

事件の経緯として、昨日(23日)、工員らが請願を行ったが、相手にされなかった。このため、南北巷にある秋濤路を封鎖したところ、多くの警察が駆けつけて処理にあたるとともに、工員が解散しないならば、暴力行動を取ることを辞さないと警告していた。

(記者・辛菲、古清兒取材報道)

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