【季節のテーブル】ニッポンのお正月

初日の出 ただいま!の声 響きます

【大紀元日本1月11日】登山家は、山があるから登ります。ニッポンのお正月は、ご来光があるから、山のてっぺんに上ります。山のてっぺんに磐座(いわくら)があれば、そこによじのぼって、そこから誰よりも早く、ご来光が昇るのを待ち望みます。

眺望の彼方からしんしんと、薄明の帳を払ってじんじんと、真っ赤なお日様が昇ってきます。心のしじまを拍(う)つ光が、波紋のように広がります。過ぎ去ったことや、人の行いをすべて許して、未来を迎える心がこうして整えられるのです。

「いってらっしゃい」と送り出し、「ただいま!」の声がすると、コドモやお父さんや、お母さんがお家に帰ってきます。「ただいま」は「ただ今」のことです。まさに今、私は現れましたという意味です。「只今!」というと、そこに何者かが出現します。何者かとは、かつては「神様」のことでした。

「ただいま!」は、永遠の一瞬(ただ今)の、つまり神様のこの世での出現を、要約した言葉なのです。かくして日本語は日常の挨拶のなかに、絶えず神様を出現させています。お家に帰ってくる人は誰であっても、神様の挨拶(ただいま!)を交わしてから入って来るのです。

古代の人々は、日の出の音を聞く聴覚を持っていました。太陽の音連(づ)れを、誰でも聞くことが出来ました。太陽が訪れる響きを聞き届けました。太陽が語る声や、今年一年の始まりのメッセージを聴くことが、初日の出に出会うイベントだったのです。おそらく「ただいま!」という挨拶は、残照のように継承された、初日の出の体験の神聖な響きなのです。

(イザヤ・パンダさん)
関連記事
中国古典舞踊の最高峰・神韻芸術団は20日に来日。待望の2025年神韻世界巡回ツアーが23日に日本の名古屋で開幕する。
肩の柔軟性と筋力を高める6つのエクササイズを実践すれば、可動域を改善し、肩こりや日常の不快感を和らげる効果が期待できます。
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。