中国湖北省武漢:医療過誤で危篤状態、数百人が抗議デモ

【大紀元日本3月22日】中国湖北省武漢市の十一医院で起きた医師の誤診により患者が危篤状態に陥った事件で、数百人の群集が3月20日、病院前で抗議デモを行った。

誤診された患者の劉婷(36)さんは、月収800元(約1万2320円)に満たず、夫も長期にわたり失業している。2005年乳腺がんのため、武漢市十一医院に入院し、病院側は「良性腫瘍」と診断した上、同年9月に腫瘍切除手術を行った。

患者の家族・袁桂珍さんは「2006年、劉婷は他の病院で検査を受けてから、誤診であることが分かった。しかし、05年に行った腫瘍切除手術ががん細胞の拡散をもたらしたため、現在危篤状態に陥った。彼女は医療保険がないため、すでに十数万元(約200万円)を費やし、これ以上の医療費は負担できないのだ。病院側が投薬を中止したし、家庭も崩壊寸前だ」と訴えた。

袁さんによると、病院側は患者の訴えを無視した上、政府に調停役を委ねたという。袁さんは「政府は我々に対して、裁判所へ提訴するように回答した。しかし、政府は病院側の肩を持っており、裁判所も病院の味方になっていることは誰もが知っている。今の中国では、役人同士がかばい合っていることが顕著であり、民衆の権益に関する問題は殆ど解決できない。劉婷は死に掛けているのに、病院側はそれでも治療してくれない」と訴え、同件について、最終的に解決できなければ、メディア関係者に報道してもらうとの意向を示した。

一方、落ち込んでいる劉さんの夫は、妻が万一亡くなったら、自分は省政府前で自殺するとし、合理的な解決ができなければ、大規模の抗議活動を行うと明らかにした。十一医院前に大勢集まっている民衆から事件を知った人々も、抗議の列に参加した。現場では警察車両が停まっていたが、警察はいなかった。

袁さんによると、住民は医療保障がないこと自体が不調和な社会の現れであるとし、民衆はまったく意見を述べることができないのだと強調した。袁さんらは、これまでに武漢市の新聞社およびテレビ局へ投書したが、どこも応じてくれなかったという。

現場にいた中国国民党連盟の朱成明氏は、今の中国の病院では今回の事件と同様な現象が多く発生しているとし、病院側が医療機関としてのモラルがなく、儲けることしか考えておらず、患者の生死を無視していると指摘した。朱氏は、民衆はとても莫大な医療費用の負担はできないのだと強調

誤診した報告書

武漢市十一医院、抗議する民衆

病院前の抗議パネル

抗議の横断幕

した。

*写真は中国国民党連盟提供

(記者・古清児/李詩頴)
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