北京:強制立ち退き、家主らが抗議

【大紀元日本4月29日】暴力的な強制立ち退きに抗議する家主らの抗議活動が23日、北京で行われ、地元賃貸事業主約100人が取り壊された民家の現場に駆けつけ、抗議する横断幕とスローガンを掲げ、集めた全員の署名を被害者に提出し応援した。今回の強制立ち退き事件は、多くの海外メディアも注目し、現場取材を行った。

北京崇文区磁器東一巷の住民・劉鳳池さんの持ち家は、4月20日午後に、百人近い身元不明の暴漢らに強制的に取り壊された。情報を聞き、応援に駆けつけた家主ら約100人は、取り壊された劉さんの持ち家の壁などに抗議する横断幕とスローガンを掲げ、劉さんを応援した。劉さんの家族によると、それらの横断幕は23日夜、地元警察によってすべて撤去されたという。

劉さんの妻・李秀さんによると、20日午後、百人近い暴漢らが現れ、書類は一切の提示されず、いきなり先祖代々住んでいる家屋を強制的に壊し始めたという。元々4つの家屋があり自宅を残して賃貸していたが、殆んどすべて取り壊され、母屋しか残されていないと憤りを訴えた。李さんは暴漢らが家を取り壊している現場証拠写真をカメラに収めようとした際、暴漢らが塀の上から飛び降り、李さんを床に押し倒し、強引にカメラを奪い取った。李さんはその時に負傷した足は未だにうっ血しているという。

今年80歳の劉鳳池さんは定年退職した共産党幹部で、中央演劇学院を卒業してから、鉄道部文工団で勤務した。以前は米国を対抗し、朝鮮を応援する活動に参加して負傷したこともある。また、文化大革命時代に「反革命」とされ、十数年間の牢獄生活を強いられた。劉さんは度重なる冤罪を着せられた重圧で身体が衰弱し、脳梗塞を患っていることから、家族は今回の強制立ち退きのことを話せなかったという。

劉さんの持ち家は先祖から残されたもので、共産党政権以前から住んでおり、土地面積は約0・4ヘクタールである。情報筋によると、不動産管理局は家主の同意を得ないままに、勝手に土地を香港新世界不動産開発に販売したという。4月6日に当局は、劉さんに対して、自主的に引越しをしなければ、どうなるかは自分たちで責任を負うよう強要したという。妻の李さんは「話し合いや協議など一切なく、誰も話を聞いてくれなかった」と訴えた。

李さんは、実際に調査した結果、自分たちが所有している土地権利と名義は変更されておらず、販売された記録もなく、すべて劉さんの父親の名義になっていると主張した。しかし、家屋はすでに取り壊されたにも拘わらず、政府のどの部門が実行したのかも分かっていないと途方にくれた。

李さんは20日午後2時から同5時まで警察へ電話通報し続けたが、誰も現れなかった。反対に6~7人の警察が李さんの家から外部への通路を遮り、取り壊し作業を見守ったと言う。李さんはさらに、崇文区体育館路派出所に不法立ち退きを通報したが、当日に警察は出動しなかったことを理由に事件は成立しないとされたという。一方、20日に取り壊す作業が入ったときに地元関係部門は対外的には「ここの家は誰も住んでいない」と発表したという。

李さんによると、当時、現場の暴漢らは自分を床に押し倒して、外へ出ることは許されなかったし、外部の人々も警察らに入り口を遮えぎられ、中に入ることができなかったという。李さんは最終的に梯子を使い、塀を乗り越えて逃げたが、後ろでは20~30人が追っかけており、殺されても誰にも知らされないだろうと恐怖におののきながら語った。

情報筋によると、劉さんと同様に家屋を提供している家主は全国的に多く、北京地域だけでも6千以上ある。賃貸業者は中共当局が50~60年代に、民衆の家屋を強制的に没収し賃貸するよう強いられたという。家主は文化大革命前までにごく僅かな家賃収入が得られたが、文化大革命後は、家屋は国有財産になったという。

最近、中国全国各地の家主らは大規模の直訴を行い、国家に対して政策を確実なものにするよう、所有していた家屋を返還するよう訴えたが、最終的に私有財産として還元できない結果になった。

これに対して、家主たちは怒りを隠せない。家主たちによると、当初、協議には経営管理、賃貸、修繕を代理する内容になっているにも拘わらず、建設部の書類は強権で民衆の私有財産を強引に略奪・占有したと強調し、さらに道理に合わない理屈をこねるのは、共産党の常套手段であると指摘した。

署名を集める(大紀元)

抗議のスローガン(大紀元)

ビデオ:体の弱い劉さんは未だに取り壊しで残された家屋に住んでいる(大紀元)



ビデオ:取り壊された後の残骸(大紀元)

(記者・古清兒)
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