利を見て義を重んずる

【大紀元日本6月7日】明朝の時代に何岳という秀才がいた。ある日、彼は夜の道端で銀200両を拾ったが、自宅に戻っても家人にはこのことを話さなかった。家人が、その銀をもらっておけと言うかも知れないと思ったからだ。

あくる日、彼は銀を持って拾った場所に行ってみた。あたりを探し回っている人がいたので、銀の数量と封書の表記を尋ねると、それが一致していたので、持っていた銀をその人に返した。返してもらった人はいたく感謝し、一部を謝礼として彼に与えようとしたが、「この銀を拾ったときは誰も見ていませんでした。もし、私が着服しようと思えば全額できたはずです。ですので、これは不要です」といって拒んだ。

何岳はかつて宦官の家で学問を教えていた。宦官はある日、用事があって都に行かなければならなくなり、しばらく家を空けることになった。そこで、宦官は、金数百両が入った箱を何岳に預け、「しばらくしたら取りに来る」と言い残した。

数年が過ぎたが、宦官からはそれ以来、何の音沙汰もなかった。何岳は後に、その宦官の甥が近くまで来ると聞き及んだ。ただ、別に、金の入った箱を取りに来たわけではなかった。しかし、を見てを重んずる何岳は、自ら進んでその箱を宦官の甥に渡し、宦官に返してくれるよう頼んだ。

利を見て義を重んずるのは、人が守るべき道義と本分であり、修煉界ではそのことがよりはっきりとわかる。徳と業とは、人体の周囲にある二種類の物質であり、もし、自分が得るべきでないものを不正な手段で得た場合、自らの貴重な徳と交換することとなり、業力を造ってしまう。したがって、利益に目がくらんで義を忘れるのは、徳を損ない福をも損なう取り返しのつかない愚行だ。

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