高智晟・人権弁護士、米国「勇気ある弁護賞」受賞

【大紀元日本7月3日】全米6,300人以上の裁判官や法廷弁護士からなる米国法廷弁護士委員会(American Board of Trial Advocates/ABOTA)はこのほど、「勇気ある弁護賞」を中国の人権弁護士・高智晟氏に決めた。同委員会は米国カリフォルニア州の授賞式に高氏を招待したが、中国当局は高弁護士が授賞式に参加させないように、6月24日に高弁護士を強制連行し、北京を離れたという。

高弁護士を支援している人権活動家・胡佳氏が7月1日に発表した公開書簡によると、高氏は今年5月に米国同委員会からの授賞通知書を受け取ってから、海外法曹界との交流機会を非常に重視し、中国大陸における今後の目標に向けて、米国の弁護士および司法関係者らと、民族国家の憲政および法治について話し合うつもりだったという。そのために、高氏および海外関係団体は、高氏に対する不法拘束を解除するよう、中国当局に対して働きかけてきた。米法廷弁護士委員会はこれまでに、中国の胡錦濤・総書記宛に、高潔・医師の時と同様に力を発揮し、高弁護士の渡米を実現させるよう呼びかけた書簡を送った。

しかし、6月24日から高弁護士との連絡が途絶えた。そして、6月30日午後7時54分に、公安部国内安全保衛局(略称、国保)監視盗聴された電話がようやく通じたことから、高弁護士は24日に警察に連行され、北京を離れたことが分かった。胡氏は、中国当局の行動は、高弁護士の訪米を阻止し、7月1日の香港返還10周年の敏感な話題を乗り越えるためであると推測し、警察側は、高弁護士を7月3日に北京へ戻すことを計画しているという。

胡氏によると、中共中央政法委および国保が高弁護士の出国を阻止したことは、まさに中国の人権現状を物語っており、人権弁護士は2008年北京五輪開催前に抑圧されていることを浮き彫りにし、高弁護士の出国を許可する以上に大きな影響をもたらしたと指摘した。

胡氏は、国保は高弁護士を脅迫した目的は、高弁護士が掌握している多くの人権事案および本人が迫害された真相を国際社会へ暴露されるのを恐れているに違いないと強調した。同時に、高弁護士が国際主流社会と接触してからさらに自信がつき、人権活動の行動がより早くなり、影響もさらに強くなることを阻止するためであると分析した。

胡氏は、中国の人権活動に参与する者は日々増えているとし、専制者の人権侵害から脱却する過程で、法治と自由、民主の獲得に努力し、人権活動家はより強く、行動もより早くなると確信していることを示した。

米国法廷弁護士委員会の「勇気ある弁護賞」は、個人の危険を顧みず弁護士としての職務を遂行し、忠実に法を実行する勇気ある裁判官または法廷弁護士に対して、与えられるものである。高弁護士は今年、同委員会から受賞されただけではなく、欧州のブルーノ・クライスキー人権賞(Bruno-Kreisky-Preis)も受賞した。しかし、いずれも授賞式に出席することはできなかった。

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