法輪功弾圧問題に揺れる中共最高指導部

【大紀元日本8月5日】今年3月から、江沢民の側近、中共中央指導部の羅幹周永康(公安部トップ)、曾慶紅は幾度か極秘内部通達を下し、各地地方政権に対し、「法輪功への弾圧は、さらに強化する」「逮捕などは秘密裏に行い、国外のメディアに知られないように」などと命じ、全国範囲内で、法輪功学習者を大量に逮捕している。10月の第17回全国人民代表大会(下略・全人代)を前に、この動きと、胡錦濤と江沢民の権力争いとの関連や、中国での法輪功弾圧の裏などについて、政権内部の情報筋の情報などを基づいて、分析を行った。

内部情報筋によれば、周永康は5月、東北部の吉林省長春市(法輪功の創始者・李洪志氏の故郷)に訪れ、自ら弾圧方案の制定を陣頭指揮、また、8千万元(約13億円)を投入、電話音声監視設備を設置させた。7月5日、共産党内部のテレビ電話会議で、周永康は、法輪功への集団弾圧をさらに強化すると強調、『九評共産党』の伝播を阻止、共産党離脱運動を全力でくい止めると命じた(注:『九評共産党』は大紀元のシリーズ社説。中国共産党が設立してからの知られざる発展の歴史などを詳細に記述・暴露、国内で密かに伝播され、強い反響を引起し、共産党への離脱運動が勃発する引き金とも言われている)。

また、法輪功のホームページ「明慧ネット」によると、3月から、東北部の各地で、法輪功学習者を数十人規模で大量逮捕する事件が相次ぎ発生。吉林省の現地公安当局が、「法的審理をせずに、法輪功学習者を3年以上の禁固刑を処すのができる」と内部通達を出している。一部の地区では、法輪功学習者の有力情報を提供する人、逮捕に「貢献」した人には、平均月給に相当する「奨励金」を払う。

そのような状況において、国内法輪功学習者の証言によると、いま、法輪功の無実と弾圧の政治裏を知った現場の公安警察・企業の幹部が増え、中央指導部からの命令を前に、良識のある人は、密かに、法輪功学習者に情報を事前に知らせたりしている。

中央指導部の江沢民の側近は法輪功への弾圧を執拗に執着する理由について、専門家は以下のように分析している。

江沢民は1999年、弾圧を発動した当時、3ヶ月以内に法輪功を消滅できると誇示していた。8年を経過したが、法輪功が倒れるどころか、益々強くなってきた。2005年、江沢民の素顔を暴露する本「江沢民其人」が出版され、その悪行が天下に暴かれた。国外の法輪功学習者は20数カ国で、江沢民を告訴するなど法的訴訟を起こし、中国当局に対し、「(集団迫害の元凶)江沢民、羅幹、周永康、劉京などに法的裁きを受けさせるよう」と要求し続けてきた。

法輪功迫害真相調査連盟(略称・CIPFG、本部・ニューヨーク)の調べによると、法輪功への弾圧について、当初、中共政治局常務委員会の委員7人のうち、6人は反対していたが、当時の国家主席だった江沢民は政権内部このような反対の声を押し切って、弾圧を命じた。

いま、江沢民が最も恐れているのは、法輪功弾圧の責任追及である。国内外で反迫害の声を出している法輪功学習者に対し、彼は、一刻も早くその声を封じたい。

現任主席の胡錦濤と前任の江沢民は、これまでに政権内部の権力争いを展開してきた。8年前に、法輪功への集団弾圧を命令し、陣頭指揮してきた江沢民にとって、法輪功問題は最大の弱みで、すなわち、胡錦濤が握っている有力な刀だ。いま、法輪功弾圧問題はその権力闘争を左右できる核心となった。

一方、北京五輪を前に、中国当局が招致活動当時に国際オリンピック委員会に交わした人権記録改善の約束を守っていないと、国際社会の非難の声が高まった。CIPFGは、中国国内の生きた法輪功学習者への臓器狩りの調査などを求めている。

10月に開催する第17回全国人民代表大会を前に、江沢民の腹心、最高指導部のメンバー羅幹が政権から退く見込みとの情報が流れている。これまでに、江沢民の政治大本営で、自ら率いてきた「上海派閥」に関して、その重要メンバー、上海市トップ陳良宇は汚職問題で権力の座から下された。もう1人の中心人物・黄菊は今年、ガンで亡くなり、「上海派閥」は消えかけている。また、中央軍事委員会の主席を務めていた際に、軍内部で構築した権力構図も、胡錦濤の大規模な人事刷新により完全に崩された。

政権上層部の情報筋は、「法輪功弾圧問題の元凶として、江沢民を逮捕すれば、胡錦濤は、国際世論と国民の怒りの声に答え、国内外で良いイメージを樹立できるだけでなく、政権内部から江沢民派を正々堂々と完全に排除することができ、自分の統治に最も有利の局面を開拓できる」と説明。

法輪功集団弾圧に巨額な資金を投入

1999年7月20点xun_ネ来、法輪功への集団弾圧は8年間続いた。江沢民は、公安局、軍部、司法、情報機構、外交、メディアなどのあらゆる国家機器を駆使、巨額な資金を投入、全国各地で、法輪功への迫害を指揮する「610オフィス」を設立、法輪功学習者を監視・洗脳・監禁するために、大量の人力を投じた。その年間人件費だけで、1000億元を上回る試算になるという。また、インターネット封鎖、電話の音声監視、監禁施設の建設などにも、巨額な資金を費やしている。国外においては、在外公館を介して、様々なルートで現地の政界や、メディア(特に華人メディア)への浸透・制御を強化、弾圧を正当化する詐欺宣伝を繰り広げている。それにも、やはり、多額の資金がつぎ込まれている。政権内部からは、「法輪功への弾圧は、最も不必要な財政支出」「弾圧は金で維持されている。金がなければ、続かない」などの不満の声があるという。

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