ゲンジボタルの一生「卵形の夢」
【大紀元日本8月18日】国内で約50種類、世界で約2000種類のホタルが知られています。ホタルには陸生と水生のホタルがあります。国内のホタルのほとんどは陸生のホタルですが、日本の初夏の風物詩を彩るゲンジボタル(体長約2cm)やヘイケボタル(体長約1cm)は水生のホタルで、世界でも数少ない種類に属します。日本の自然環境の指標となるホタルです。
人々の心を和ませたホタルの初夏の乱舞が終わると、真夜中過ぎから明け方までの夜陰に抱かれてホタルは産卵します。清らかな水が穏やかに流れ下り、上陸に適した軟らかな湿った土の岸辺があり、木陰の安らぎが保全されている里山全体が、ホタルの光の故郷です。ゲンジボタルの一生は、日の当たらない水辺のコケの中で始まります。コケは清らかな水の友達です。コケの湿潤な緑が、ホタルの卵の隠れ家です。緑陰の伊吹を吸って、卵は孵化します。ゲンジボタルの幼虫は、カワニナという巻貝を餌にして育ちます。巻貝=螺旋のいのちを織って、明滅する光の夢を紡ぐのです。
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