体重30キロの拒食症モデル広告に、賛否両論=イタリア・ミラノ

【大紀元日本10月2日】先月24日、イタリアの掲示板広告や新聞に、体重30キロの女性のヌード写真が掲載されて話題となった。仕掛け人はイタリア人写真家のオレビエーロ・トスカーニ氏で、スリムな女性を賞賛する傾向にあるファッション業界に警告するためだという。広告のスポンサーである服飾ブランド「Flash & Partners」は、拒食症の女性のヌードを起用することでこの病気の悲惨さを知らせ、「ファッション業界が押し付ける『典型的なイメージ』がこの病気と関係していることを見せたい」とコメントした。

ミイラのように細い肢体でポーズをとったのは、フランス人のイザベル・カーロさん(27)。カーロさんは、身長165cm、体重は31キロしかなく、拒食症を患って15年、その間体重が減少する度に入院してきたという。カーロさんは、自身の写真が人々の反感を買うかも知れないと分かっていたが、やはりこの宣伝ポスターの仕事を引き受けることにしたという。この機会を利用して、人々に、特に若い女性に「ファッションの陰に隠れているもの」を分かってほしいと述べ、「痩せることは死を招く、痩せることは決して美しくない」と語った。

アルマーニ氏「病気とファッションの関連性はない」

多くの機関が、摂食障害の原因は、痩せすぎを追求するファッション業界にあるとする一方、ミラノの有名デザイナーたちはその意見に賛同していない。

ジョージ・アルマーニ氏は、ショッキングなイメージを宣伝に使うことは、拒食症の恐ろしさを人々に警告するのに「適切」だとする一方、「拒食症とファッションは何の関係もない。ファッションに気を使わない人であっても、この病気にかかることがある」と述べ、病気とファッションの因果関係を否定した。

また、デザイナーのドミニコ・ドルチェ氏とステファーノ・ガッバーナ氏も、「拒食症は、ファッションとは何の関係もなく、精神的問題であるということを最後には誰かが証明してくれるだろう」とコメントした。

近年、極端なダイエットで痩せすぎのモデルが死亡するという事件が相継いで起っている。

去年、モデルのルイゼル・ラモスさんは、ウルグアイで開かれたファッションショーの最中に倒れ、心臓発作で死亡した。彼女は、ショーが始まる3ヶ月前からほとんど食事を摂っておらず、死亡時は身長175cmに対して体重は44.5kgしかなく、BMI値は14.5だった。世界保健機構によると、BMI値が16で飢餓状態と言われている。彼女の妹でモデルのエリアナ・ラモスさんも今年2月、18歳の若さで栄養失調が原因と考えられる心不全で亡くなっている。

(翻訳/編集・侍傑、田中)

関連記事
白キクラゲやレンコンをはじめ、免疫力を高める10の食材を紹介。伝統医学と現代科学が推奨する抗炎症効果で、肺を潤し冬を快適に過ごす方法を提案します。
新たな研究により、男性における自閉症の発症リスク上昇には、Y染色体が関与している可能性が示されました。男性では自閉症が女性より約4倍多く見られる一因として、Y染色体が自閉症リスクを特異的に高めていることが明らかになっています。
朝食のタイミングを調整することで、2型糖尿病の血糖値管理が改善する可能性があることが新しい研究で明らかに。運動と食事のタイミングが血糖値に与える影響を探ります。
神韻芸術団2025年日本公演間近、全国42公演予定。伝統文化復興を目指す公演に観客の支持と絶賛の声が相次ぎ、チケットも記録的な売上を上げている。
食品添加物「カラギーナン」が健康に与える影響についての新しい研究結果を紹介。インスリン感受性や炎症の悪化と関連があり、摂取を控える方法も提案します。