【ことばの豆知識】地獄で飲む「迷惑なスープ」?

【大紀元日本12月29日】中国には“迷惑”という飲み物があるらしい。中国語の“湯”はしばしば「スープ」を意味することからすれば、「迷惑なスープ」?

 何のことやら分からず、あれこれ調べて見ると、より一般的には“迷魂湯”と言い、地獄で魂の本性をなくさせるために用いられる薬湯のことのようです。前世の記憶を持ったまま転生されたのでは困るため、その一切を消し去るために孟婆神が飲ませると言われます。つまり、字義通り「魂を迷わすスープ」ということで、普段の生活の中では、「人を惑わす行為や甘いことば」といった意味で用いられます。

 ところで、この“迷惑”ということば、中国語では古今を通じて、「わけが分からない/分からなくさせる」といった意味で使われています。文字通り、「迷い惑う/迷い惑わす」ということです。

 一方、日本語でも当初は、中国語と同じく「迷い惑う」ということで、何らかの理由で「どうしていいか分からず困惑する」という意味で用いられていたようですが、そのうち専ら「【他人の行為によって】困惑する」ことを指すようになり、今日ではそれが、「迷惑メール」「迷惑をかける」のように、「他人から厄介な目に合わされて困る」という意味に変化したようです。

 ただ、方言の中では、「高価な品を頂戴して迷惑します」というように、「困惑」義(痛み入る)が残されているところがあるし、「たいへんご馳走になって迷惑(めやく)した」のように、「迷惑する」が「迷惑をかける」の意味で使われるところもあるようで、このことばの変遷の一端を窺うことができます。

 いやはや、日本語の「迷惑」にはますます“迷惑”するばかりです。

 

(智)

 

関連記事
中国の古典小説『水滸伝』に登場する百八名の好漢の一人で13番目にあたります。酒好きの長身でした。
千年以上前の北宗は、脆弱で腐敗した宮廷のもとで、常に侵略に遭い、壊滅寸前の状態にありました。しかし、武勇に恵まれた皇室の一人が、戦を率い、朝廷を存続させました。
新型コロナウイルスCOVID-19の変異は消える気配がなく、人々は自然で安全かつ持続可能なウイルス対策が必要です。最新の研究によると、柳の樹皮エキスが以前に発見されていなかった広範囲の抗ウイルス活性を示しています。 フィンランドの科学者チームによるこの研究では、柳の樹皮エキスが、不活化されたコロナウイルスSARS-CoV-2、HCoV-OC43、および腸病毒に非常に効果的であることがわかりました。
中国四大奇書の一つ『水滸伝』は、 14世紀に施耐庵が著したものです。冒険、疫病、英雄伝、ならず者の世界などの民話の集大成で、宗代に実在した盗賊の一味から題材を得ています。
肉体が亡くなっても、魂は存続し続けるでしょうか? このような素朴な疑問を抱く人は少なくないでしょう。古代から、異なる民族に異なる伝説が存在しますが、そのほとんどは魂の存在を認めています。