300円で売った家宝、実は34億円の国宝=中国遼寧省

【大紀日本1月2日】30年前に20元(約300円)で売った古董品が2億元(約34億円)を超える希有の国宝であることがわかり、売主である中国遼寧省鞍山市在住のある年配の夫婦は今、現地の裁判所に訴訟を起し、当時の取引の撤回を求めている。

現地の「遼瀋晩報」の報道によると、この古董品は元(げん)の時代に造られた磁器であり、高さ39.7cm、口径は15.3cm。八面の胴体に松、竹、梅、蓮の池などの模様が描かれ、いまは、遼寧省博物館に収蔵されている。専門家が最新の鑑定を行い、2億元を超える希世の国宝である、という結論を出した。

今年67歳の劉さん夫婦はこの磁器の元の所有者だった。ご主人のある先祖は朝廷の高官で、この磁器は子孫代々で受け継がれた家宝である。しかし、夫婦はその価値をまったく知らずに、30年前の1970年代、文物を収蔵する国の現地機構に売り出した。

当時、この磁器を鑑定した同機構の関係者が「価値がない」と判定したため、当時の平均月給の半分にあたる20元で買い取りした。その翌年、同機構はこの磁器の価値に気付いたためか、350元(約6500円)を劉さん夫婦に追加支給した。

その後、専門家が鑑定した結果、この磁器は非常に希有な古董品であることが判明、全世界でわずか2つしか現存せず、もう一つはタイで発掘されていることがわかった。元の時代の貴族たちは、磁器よりも金・銀の製品を好んでいたため、同種の磁器が非常に少ないという。

2005年7月、ある円形の同種類の磁器がロンドンの競売で1568.8万ポンド(約34億円)で落札され、中国古代芸術品の最高売値を更新した。専門家は、劉さん夫婦が所有していたこの磁器の価値はさらに高いとみている。

                   

(翻訳・叶子)

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