四川大地震:地震研究者「中国地震局は責任逃れできない」
【大紀元日本5月22日】四川大地震の事前予報があったとの指摘について、中国地震局のトップは国内メディアの取材で、完全に否定し、如何なる予報をも受けていないと明言した。それに対し、「中国地球物理学会」の天災予測専業委員会の顧問・陳一文氏は、中国地震局のこの主張は真っ赤なウソと反論、中国国家放送局の中央テレビ(CCTV)の番組で「(今回の地震について)中国地震局は責任逃れできない」と述べた。
5月14日、中央テレビの9チャンネルの英語番組では、「汶川5・12大地震」をテーマとするトーク番組が放送された。地震観測専門家の今回の大地震発生への責任問題を議論する際に、陳一文顧問は生電話によるインタビューを受け、英語で「中国地震局は逃れられない責任がある」と述べ、06年以来の3年間、天災予測専業委員会は中国地震局に3度にわたり中期予測の報告書を提出してきたと説明、特に(地震直前の)08年5月3日には、陳氏が自ら中国地震局に報告書を送り、同地区での強い地震の可能性を予告したと主張、中国地震局が如何なる予報も受け取っていないとの説明に真っ向から反論した。
当日夜、この番組が再放送された際には、上記の陳氏の発言が削除された。
陳氏自身は現在も自分の論調を堅持している。5月18日、「華夏速達」の取材を受ける際に、同氏は、http: //cheniwan.sea3000.netというサイトの「地震予測」と「科学共同体および規則」の2つのコラムで、自分の中国地震局に関する多くの評論と付録を掲載している、と説明した。
同地震予測委員会には、1976年の唐山大地震を正確に予測したとされる研究者が多く加盟していると、陳氏が説明、その権威として、孫威氏の名前を挙げた。
陳氏の説明によれば、孫威氏は他の研究者と共同で地震の前兆を観測できる設備を開発、毎日24時間連続して観測を続け、中国地震局の断続的な観測より遥かに優れている。また、これらの研究者は地震発生に関する伝統的な原理分析を根底から覆す、地震発生の多くの前兆を逃さず掴むことができたという。
陳氏は故孫中山(注・台湾国民党の創始者、初代中華民国臨時大総統、国の父と呼ばれている)の秘書・陳友仁氏の孫、英国国籍のユダヤ人のー人である。1942年に英国で生まれ、1950年8歳の時に父の陳依範氏とロンドンから北京に移住、1968年に北京機械学院を卒業。1990年から、地震予報の研究に携わり、中国の地震予測学者の研究を支援・追跡してきた。2002年には、中国地球物理学会の天災予測専業委員会の顧問となり、現在に至っている。