四川大地震から12年。当時、大地震で同省都江堰市の聚源中学校で多くの生徒が死亡した。5月12日、子どもを失った親は中学校の跡地で追悼集会を行った。地元当局が特殊警察部隊などを投入し、現場で監視に当たった。
12年前の大地震で、聚源中学校の校舎が倒壊し、約300人の生徒が下敷きになり亡くなった。一方、学校周辺の民家やマンションは被害が軽く、倒壊することがなかった。
保護者らは学校の手抜き工事が原因で子どもの命が奪われたとし、過去12年間、地方政府に手抜き工事の責任者を処罰するよう陳情し続けてきた。しかし、親らが待ち受けたのは当局による嫌がらせや監視だ。
参加者の朱文秀さんは、「今日も、毎年と同じように100人以上の親が集まって、花を供えた」と大紀元に話した。
「去年まで、地元政府は、跡地での弔いを許したのに、今年は跡地に入ってはいけないと言われた」
朱さんによると、地元政府は、中学校跡地に特殊警察部隊と私服警官を派遣した。「跡地に入ったら、すぐ逮捕されるだろう。だから、今年は近くの川辺で弔うことにした」
朱さんは、学校の手抜き工事をめぐって、この数年間、地元政府に陳情してきたが、複数回拘束された。北京にある中央政府の陳情窓口に行こうとしたが、「北京に着いた途端に拘束され、四川省に送還された」という。
朱さんと同じように陳情活動を行っている親はほかにも数百人いる。「ただ、訴訟を起こしても、当局の圧力で引き受けてくれる弁護士は一人もいない。去年、ある保護者が陳情後、2週間以上拘留された。一昨年、私たちを取材した記者1人が、暴行を受けて亡くなったと聞いた」
朱さんは、5月12日はすべての親にとって「最も悲しい日」で、「亡くなった子どもを永遠に忘れることができない」と話した。
中国当局の発表では、四川大地震で7万人が死亡、1万8000人が行方不明となったほか、37万人以上が負傷。
また、都江堰市聚源中学校のほかに、同市新建小学校、北川チャン族自治県の北川中学校、徳陽市の九龍鎮小学校や八角鎮中心小学校、平武県の平通鎮初級中学校など、四川省内各地の学校が地震の直後に倒壊した。死亡した子どもの人数は現在も不明だ。
(記者・顧暁華/凌雲、翻訳編集・張哲)