中国:四川大地震と石炭不足で発電所閉鎖

【大紀元日本5月23日】中国国家電力監督管理委員会は5月20日、各省を含む32箇所の発電所が石炭不足のために閉鎖したことを発表した。一方、四川省内の200箇所の炭鉱は1週間前に発生した大地震の影響で点検のために閉鎖された。これによって、深刻な石炭燃料不足をもたらし、一部地区の発電所への石炭供給は3日分しかない状況だ。

中国当局は大地震が石炭供給に対する影響についての発表はしなかったが、四川省にある200箇所の炭鉱および2箇所の発電所が閉鎖された。新華社財経報道によると、閉鎖された32箇所の発電所の総発電量は482万キロワットだという。

中国電力監督管理委員会は公告の中で、河北、安徽および湖南等各省を含む5つの地域への石炭燃料供給量は7日間だとし、政府が設定した供給基本最低日数の15日に満たないことから、緊急状態だとみなされた。その内、安徽省発電所の石炭燃料在庫量はわずか2・8日、北京発電所の在庫量は6・9日分しかない。

石炭燃料不足になったのはここ3ヶ月間で2度目になることから、中国当局が経済計画価格設定政策のミスを顕にした。

中国の発電所はその70%が石炭燃料に頼っていることから、石炭の生産、流通および貯蓄量は電力供給に大きく影響する。実際、2月に大雪に見舞われ、交通が中断されたため、石炭供給がストップし、送電線および電柱の倒壊に加えて、幅広い範囲にわたり停電をもたらしたことは記憶に新しい。

一方、石炭燃料の市場価格が高騰した際に、損失を減少させるために、政府当局は電力価格を制御し、石炭在庫量を減らし発電を少なくした。さらに、ガソリンおよび灯油の小売価格も凍結した。これは農民および都市部の貧困層にとって助けになったが、高級乗用車の売価高騰をもたらした。

製油工場によると、一部の工場は昨年より減産し始めたため、南部の一部地区の燃料不足をもたらし、損失が甚大だという。

(記者・畢儒、翻訳/編集・余靜)
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