四川大地震:教育部の新指導要領「英雄に見習う」、手抜き工事への関心を逸らすねらい
【大紀元日本5月30日】中国政府はこのほど、学校教育指導要領に教師向けの地震対策・救援活動プログラムを組み入れることを決めた。これに対して、一部関係者からは、目下の急務は災害現場の「英雄」を育てることではなく、地震で何故7千の校舎が倒壊し、6千人の生徒が死亡したことを徹底的に調査することであると非難の声が上がっている。
5月25日に開かれた中国教育部記者会見で、「英雄に見習う」が発表され、全国の学校教育指導項目で、地震対策・救援活動を展開し、教師や団体に英雄的な救助活動を奨励し、模範的な救助活動例を宣伝する内容だった。
今回の四川省大地震で、確かに多くの教師が生徒を守るために、身の危険を顧みずに救援活動に参加した。しかし、被災地でボランティア活動を終えて戻ってきた作家の冉云飛(ラン・ユンフェイ)氏によると、被災者の関心は、英雄的な救助活動ではなく、7千の校舎がなぜ倒壊し、6千500以上の生徒が瓦礫の下に埋もれたかに強い関心を寄せているという。
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7万人の犠牲者を出した四川大地震が12日、発生から13年を迎えた。地震のなか、校舎の倒壊で死亡した児童・生徒の保護者100人は同日、同省都江堰市聚源中学校の跡地に集まり、追悼集会を行った。
四川大地震から12年。当時、大地震で同省都江堰市の聚源中学校で多くの生徒が死亡した。5月12日、子どもたちを失った親は中学校の跡地で追悼集会を行った。地元当局が特殊警察部隊などを投入し、現場で監視に当たった。
2008年5月12日。現地時間の午後2時28分、四川大地震が起きた。
中国西部の四川省自貢市栄県では2月24日から同25日にかけて、マグニチュード(M)4以上の地震が3回発生し、少なくとも4人が死亡した。地域住民はシェールガス採掘で誘発した「人工地震」と信じており、数万人がデモ行進を行い、現地政府に強く抗議している。
8月8日21時ごろ、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生。国家減災委員会の推測によると、100人程度が死亡、13万戸の家屋が破損した可能性があるという。国営メディアによると、ケガ人も多数でている。