四川大地震:救援活動による大量ゴミ、二次汚染のおそれ

【大紀元日本6月1日】四川省大地震の後、被災地に集まった各救援隊から出される生活ゴミ、作業ゴミが被災地の生態環境の脅威となっている。香港メディアは、おざなりに処理されたこれらの間接的なゴミは被災地に潜む疫病と、災害後の生態環境にとっての深刻な「二次汚染」を作りだすと指摘している。

香港文匯報によると、多くの救援者が積極的に救援活動をしているが、これと同時に、環境保護がほとんどおざなりになっているという。香港が四川省汶川県映秀鎮に派遣した防疫任務の香港食物環境衛生署の高級衛生監督・梁科文氏と衛生署首席医師・莫昭友氏は、「防疫作業員が廃棄した防護服、カラになったペットボトルや弁当のパック、更には医療ゴミまでが至る所に捨てられていた」と伝えた。

莫氏は「医療ゴミは特殊な物なので使ったその日に処理を終えるのが一番良い。いずれにせよ今は気温が高く、もしこのままずっと放置され続けるなら疫病を生みだし、現地の自然環境に二次汚染を作りだすだろう」と見ている。また彼は、ある医療ゴミと生活ゴミが付近の河に捨てられているのを見つけ、「このようなやり方はとても危険だ。一旦水源が汚染されれば、こういった潜在的問題は処理するのが難しい」と指摘した。

被災者の遺体処理と消毒作業について、監察医の藍偉文氏は「始めに遺体に液体の消毒薬を吹き付ける。液体は揮発が速いので遺体を殺菌する効果が高く、監察医も検査し易い。遺体の処理後、次に消毒粉をかける。パウダー状のものは保存期間が長く、また遺体の保存も良く、殺菌も出来る」と現地の防疫作業者に繰り返し指摘している。

さらに、被災者の遺体を埋める時は、必ず水源から離すことを莫氏は指摘する。「現在の遺体処理方法は一時的な方法であり、最も良いのは火葬し深く埋めること…四川は自然の景観と生態環境で有名な地方。今回の地震災害で、生態環境は深刻な破壊を受けている。もし救援者による二次汚染を受ければ二重のダメージを受けることになるだろう」と警告している。

(翻訳・坂本、編集・佐藤)
関連記事
7万人の犠牲者を出した四川大地震が12日、発生から13年を迎えた。地震のなか、校舎の倒壊で死亡した児童・生徒の保護者100人は同日、同省都江堰市聚源中学校の跡地に集まり、追悼集会を行った。
四川大地震から12年。当時、大地震で同省都江堰市の聚源中学校で多くの生徒が死亡した。5月12日、子どもたちを失った親は中学校の跡地で追悼集会を行った。地元当局が特殊警察部隊などを投入し、現場で監視に当たった。
2008年5月12日。現地時間の午後2時28分、四川大地震が起きた。
中国西部の四川省自貢市栄県では2月24日から同25日にかけて、マグニチュード(M)4以上の地震が3回発生し、少なくとも4人が死亡した。地域住民はシェールガス採掘で誘発した「人工地震」と信じており、数万人がデモ行進を行い、現地政府に強く抗議している。
8月8日21時ごろ、中国四川省アバ・チベット族チャン族自治州九寨溝県を震源とするマグニチュード7.0の地震が発生。国家減災委員会の推測によると、100人程度が死亡、13万戸の家屋が破損した可能性があるという。国営メディアによると、ケガ人も多数でている。