四川大地震被災地、報道を含む規制開始=中国当局
【大紀元日本6月9日】四川大地震発生後、中国本土および外国メディア並びに数千人のボランティアは制限無く被災地入りできたが、中国当局が海外の救援チームを受け入れたのもつかの間だ。中国軍部はすでに敏感地区に対して封鎖をし始めたと同時に、メディアに対しても厳重な報道規制を敷いた。
海外メディアによると、四川省成都市の雑誌編集者・冉雲飛さんは「最初のころは、中国当局はコントロールする能力はなかった。しかし、その機能は回復してきた。外国メディアは中国政府に対して、楽観視し過ぎる」と指摘したという。
校舎倒壊がもっとも深刻な都江堰および聚源地区への道路にここ1週間で、すでに数箇所の検問所が設けられた。子供を失ったこの地区の親たち300人あまりが6月1日に、亡くなった生徒たちの追悼会を開いた当時、記者は自由に取材ができた。しかし、一部の親が地元当局に対して抗議を始めてから、公安および武装警察部隊がこの数日間で新たに建設した小学校を封鎖し、記者の撮影も禁止した。
中国人記者によると、大地震発生後、中央宣伝部門からは被災地報道時に関する規則を発表したが、1週間前より初めて強制執行されたという。この規則を熟知する側からの情報によると、記者は被災地で英雄的な活動をする人物の報道に集中し、特に政府関係者または共産党上層幹部の事績を報道し、校舎の倒壊など敏感な話題に触れないように要求したという。
一方、中国部隊は6月7日朝方に、数十万人の命を脅かす唐家山堰止湖の湖水を人工水路へ流し、堤防が受ける圧力を軽減し決壊を解消した。
四川省汶川市で起きた大型地震により30数箇所の堰止湖が発生し、その内、唐家山堰止湖がもっとも規模が大きい。中新社によると、唐家山堰止湖の7日の水位は地面と同じ高さで、貯水量は2億2千立方メートルを超え、緊急事態として同日午前7時8分に放水したという。午後6時までに、堰止湖ダム前の水位は741・2メートルに達した。放水量は毎秒10立方メートルに達し、人工水路の下段部分の浸食が強まっている。