違法資金集めの被害者ら、抗議活動を継続=中国湖南省
【大紀元日本9月26日】8月に発生した中国湖南省での企業による違法な資金集めへの抗議活動に新たな展開があった。数百人の被害者が9月24日現地政府庁舎前で、当局に解決を求める請願活動を行った。その際に衝突が発生、大量の武装警官が現場に派遣され、複数の市民が逮捕され、負傷者も出た。現在も、抗議は断続的に続けられているもよう。
4年前、湖南省湘西トゥチャ族ミャオ族自治州政府が推し進めるもとで、地元企業30数社が最大10%の金利を約束する高利息の資金集めを行った。市民15万人が退職金や、貯金をかき集め、3年間で約462億円を投じた。今年6月以降、元利返済ができない可能性が出始め、出資者らの怒りが爆発、9月4日には街頭に出て駅や主要道路を遮るなど1万人規模の抗議を行った。その際、十数人が逮捕され事態は一旦沈静化した。
最近になって、元金の返済ができないと宣言した「三館公司」は地元政府の了解を得て公告を出した。集めた資金の3割を返済し、残りは同社の株式に転換するとの内容だった。
関係者の証言によると、9月23日、その公告を受け入れられないとして数百人の被害者は庁舎前で解決を求める請願活動を始めた。その際に、徐克勤・自治州長はパトカーに護衛されながら、専用車でその場から逃げだそうとしたが、年配の女性が車を止めるようとそのボンネットに乗り上げた。しかし、車が止まることなく急発進してこの老女を振り落とし、足が骨折する大けがを負わせた。
この一幕に被害者の怒りが頂点に達した。彼らは徐自治州長の車をひっくり返した。自治州長は武装警察に護衛されながら現場から逃げたが、運転手と秘書は抗議者から殴る蹴るなどの暴行を受けた。後に、大勢の武装警察が現地に配置され、夜まで抗議が続いたという。
現場に配備された武装警察
夜まで続いた抗議活動
ひっくり返された自治州長の車
現場から逃げ出そうとする自治州長の車のボンネットに乗り上げ、止めようとする女性
情報提供者によると、一時は約1万人が集り、双方が対峙する過程で、約9人の抗議者が逮捕された後、警察から殴る蹴るの暴力を受け、負傷して入院した市民もいるという。
被害者らは、今回の解決策は地元政府が裏で操作したものと指摘し、違法な資金集め事件は現地政府と企業が長年結託し市民を食い物にする結果と訴えている。