中国広東省肇慶市:田畑で建設工事強制執行、暴行される農民たち

【大紀元日本10月17日】中国広東省肇慶市広寧県で10月13日、地元行政府は、千人以上の公安及び数百人の正体不明の男たちを五和鎮金鶏村江布管理区に派遣し、管轄の多くの村で土地収用した田畑で建設工事を強行した。

公安と村民の衝突が発生し、当局は催涙弾で村民を駆逐したうえ、さらに警棒で村民を殴りつけ、権利を守ろうとした村民を逮捕したという。

馬布村のある村民は取材時もまだ動揺している。「この2日、たくさんの人が村の中で身を守っている。我々は外出しようと思っても難しく、現場では昼夜を問わず工事がおこなわれておりほとんどの田畑がつぶされてしまった。我々の村にはたくさんの警察がいて、村長が率先者であるから村長を逮捕するといって彼の家を捜索し、さらに捕まえたら殺すとまで言っている。村長は山へ逃げ込み身を隠しているが、今は生死も分からない。どこへ行ってしまったのだろう」

さらにこの村民は「当日、警察は全員武装したうえ、警察犬も連れていた。村民に向かって催涙弾を投げつけたため、彼らは抵抗するすべもなかった。警察は人を見れば女性や老人であろうと殴りつけ、さらに何か分からない物まで吹きつけてきたので眼も開ける事が出来なかった。捕まえにきた人はそれを直接顔面に吹きつけていた。私の母が家に帰ってきたが、眼がよく見えない状態だった。彼らはどんな手段でも使っていたので数人の村民がその様子をビデオカメラで撮影していたら公安にとり囲まれ、これらのビデオカメラは奪い取られてしまった」と話している。

13日、広寧県当局は千人以上の暴動防止警察、公安、武装警察及び数百人のマフィアを派遣し、五江布管理区の各交差点を封鎖したうえ河布、茶元、馬布、良村、江凹、寺則など9村の田畑で工事を強行した。村民らは先に現場に行き、工事を阻止しようとしたが警察に制止させられた。

「その日、公安はわたしたちを人として見ていなかった。私の父母は全身傷だらけにされた。私は今まで公務員が人に対してこんな風にしているのを見たことがない。当時、現場はとても混乱しており、暴動防止警察がやって来て男も、年寄りだろうが、子供であろうが、人を見たら警棒で殴り付けていた」

別の村民によると、村民の8割が土地収用に同意していないにもかかわらず彼らは強制的に工事を開始し、村民が土地を守ろうと出て行くと公安が催涙弾を投げつけている状況だという。公安関係者は千人以上出動し、200人以上のマフィアもいる。最もひどいところでは2、30人が殴られており、数人が一人の村民を殴りつけ、殴られた村民は頭から血を流していた。ある村民は病院に搬送され、およそ数十人が連行されたという。

茶元村の村民は、「ここの状況は今とても深刻で、村人は殴られ、公安が家に入ってきて人を連行して行く。公安は警戒線を張り、ここに入ってこようとする者を殴るのだ。20人以上が殴られて怪我を負い、何人かの老人も怪我をしている。今はさらに多くの公安がここにいて工事作業員を保護しており、村人は(工事を止めに)行くことが出来ない」と話している。

広寧県五和鎮の役所は何の収用手続きもなく、2007年7月から肇慶市華南再生資源プラスチック再生工業基地建設のために、各村の田畑や山地の強制収用を開始した。土地収用面積は2200畝(ムー:1畝は6・667アール)。1畝に対する一時性の補償金は数千から一万元だが、村民の強烈な反対に遭った。この後、村民の自発組織が10回以上陳情したが、何の回復にも至っていない。

記者が五和鎮役所に電話による問い合わせをしたところ、

男性職員:この問題についてはよく分からない。

記者:ではどこの部門に聞けばはっきりと分かるのですか。

男性職員:他の部門も分かっていない。我々は皆はっきりとしたことは分からないので電話できかれてもしょうがない。

最後にこの職員は「これは我々の県の重点開発項目であり、手続きは全て合法的であり、

規定や法律に従って行っている事だ。今回の件は騒ぎを起こしたい村民たちの撹乱で、警

察は秩序を維持するために派遣されたのだ。ネット上の発表はすべてでっち上げで、こん

なことではないのだ」と主張した。

当局は工事現場で村民を阻止すると同時に、村へ入って多くの人々を逮捕した。馬布村の村民は、一部の村民は定年した6、70歳の党幹部で、家にいたところ村に入って来た公安十数人にドアを蹴破られ、侵入してきた彼らに逮捕されたと説明している。罪名も告げなかったという。

現在、当局に逮捕された村民は収用同意書にサインをしなければ解放されないという。今年4月30日、現地政府は多くの暴動防止警察を派遣し、村の出入り口の交差点を封鎖したうえ強制的に工事を始めようとしたため村民の抵抗に遭っている。起こった村民は政府に決裁書を要求したが、提示されなかったため、最終的に当局は工事を一時停止することとなった。

村民に同意書にサインさせるため、現地政府は多くの人員を組織し、昼夜を問わず様々な方法で村民に土地売却のサインを迫った。もし、家族に公務員がいたら、家族がサインした後でなければ出勤を許されず、さらにはマフィアが刃物を手に村民や陳情者を脅しにやって来て、サインを拒否する村民の家の乗用車や客車のウインドガラスを割ったり、村民が請け負っている養殖池の魚を毒で死なせるなどしたという。

9月19日、現地政府は学校を通じて学生の家族に圧力をかけている。在校生及び家族が土地収用に対しいかなる抗議行動や反対の考えも持つことを許さず、もし家族を制止することが出来なければ学校で就学することは出来なくなると伝えた。彼らはどんな手段でも使い、これらの学生は皆、学校で圧力を受けている。

馬布村の村民は、「私はこれが何の社会なのか知らない。(政府は)やりたいことがあればなんでもやっている。公安がやって来て、誰かを捕まえたければ捕まえるし、どこかの家に入りたければ入っていく。まるで地回りのやくざのようだ。言うまでもなく彼らは最大の組織だ。我々農民は田畑を耕し自分たちを養っているのに土地が無くなったらどうやって食べていけばいいのか」と訴えている。

村民は何度も現地メディアに支援を求めたが、どのメディアも取材する勇気がなく、「我々はこの件を知っているし、多くの告発電話もかかってきている。しかし我々は上部の支持を待たなくてはならない」として、取材の要請に応じなかったという。

村民の土地で整地作業を強行するショベルカー(大紀元)

村民の田畑や山地が当局の雇った業者によりつぶされていく(大紀元)

当局の派遣職員がテントを張り、日夜工事を監督している(大紀元)

土地収用の通達文(大紀元)

建設工事を強行する地元行政府関係者(大紀元)

警察関係者が多く各村の出入り口に留まり、村に入って権利を守ろうとする村民を捕えている(大紀元)

殴られた村民(大紀元)

(ビデオ・村民を殴る広東省広寧県の暴動防止警察)



http://www.youmaker.com/

(ビデオ・千人以上の武装警察が村を封鎖した)



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(記者・古清児、翻訳・坂本)
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