北京:鳥インフル感染で女性死亡

【大紀元日本1月9日】北京市衛生局によると、1月5日、鳥インフルエンザ感染して死亡した北京朝陽区に在住する女性(19)は、高病原性H5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスに感染したことを確認した。女性は生前、鴨の食肉処理作業を行なっており、これまでに116人と近距離の接触があったという。地元の伝染病専門家は、個人症例が出たことから、鳥インフルエンザはすでに中国内陸北部へ拡大した可能性があると示した。

中国衛生部によると、亡くなった黄燕清さんは昨年12月24日に発症し、27日に病状が悪化し、3か所の病院で治療を受けたが1月5日午前7時頃に死亡した。遺体からH5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスが検出された。

黄さんは福建莆田地区出身で、昨年2月に北京朝陽区に移住した。12月19日に、黄さんは友人2人と河北省廊坊市の市場で9羽の鴨を購入し、その場で屠殺して自宅へ持ち帰った。黄さんは発病する前に鴨の内臓を除去し、その内の3羽を父親および2人の友人に贈った。一方、廊坊市では鳥インフルエンザの症例発生はなかった。また、その後の調べによると、鴨は天津産のものだという。

報道によると、同居する父親は、自分も娘と同じ鴨を食したが、娘だけが発熱・咳の症状が出たと示した。当局は黄さんの自宅に対して消毒を行ったが現場閉鎖はしなかった。

一方、死者と接触した116人の内の14人は親戚や隣近所、黄さんが治療を受けた3つの病院の102人の関係者。その内、看護士1人が発熱症状があったが、回復した。

*ベトナム:女児がH5N1型に感染

ベトナムは1月6日に8歳の女児がH5N1型鳥インフルエンザに感染したことが確認された。女児は、先月末に深刻な呼吸道疾患に患い、1月2日に入院してから病状は治まった。女児は発病の前に鶏肉を食したという。

一方、香港衛生署は、深圳に在住している2か月の女児は昨年12月30日にH9N2型鳥インフルエンザ・ウイルスに感染したと発表した。女児は同月22日に咳、鼻水嘔吐等の症状が出ており、29日には白血球数が高かったことから、病院の隔離室に収容され治療を受けた。女児の病状は安定しているという。

香港衛生予防センター総監督・曾浩輝氏は、香港でヒトがH9類鳥インフルエンザ・ウイルスに感染したのは、今回が5人目だとし、H9N2型の感染症例のほとんどが、活きた家禽と接していたと示した。

また、香港大学感染および伝染病センター総監督の何柏良氏は、中国はこれから旧正月を迎え、帰省や物流の動きが大きくなり、家禽類の需要も増えることから、家禽を地方から地方へ持ち帰ることによって、鳥インフルエンザの予防困難が増すと示した。

2003年に鳥インフルエンザが発生してから、世界では392人が感染し、その内の248人が死亡した。中国では31人に症例が発生し、21人が死亡した。今年に入って、中国国内では3人が発生し、全員死亡した。

国連が世界銀行と共同発表した報告では、数年前までに世界では9カ国のみ家禽および野生家禽から高病原性H5N1型鳥インフルエンザ・ウイルスが検出された。しかし、同じウイルスは現在すでに60数カ国で確認されたことを示した。

報告では、高病原性鳥インフルエンザ・ウイルスは変異し、人類の中で大規模の伝染病になる可能性は依然として存在し、世界的範囲の流行病を引き起こす可能性があると警告した。

一方、英有名医学誌「ザ・ランセット(The Lancet)」は、鳥インフルエンザ・ウイルスが変異して、ヒトからヒトへ容易に伝染できるようになった場合、さらにその伝染力は1918年~1920年に発生したスペイン風邪に相当するとした場合に、世界的範囲で5100~8100万人が感染し、発展途上国の死亡率は96%に達すると予測した。

(翻訳編集・余靜)
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