10年前の真実、「4・25」中南海で何が起きたか=大紀元時報講演会(下)

【大紀元日本4月19日】1999年4月25日に北京中南海付近に1万人以上もの法輪功学習者が集まり、その二日前に天津で当局が学習者を拘束したことを不当であるとし、国務院陳情局に平和的に陳情した。 当時の朱鎔基首相が会見し、陳情を受諾したことで当日午後11時に静かに解散した。この平和的な朱首相の対応は、中国の民主化を期待する国際社会から高い評価を受けたにもかかわらず、それから三ヶ月後の同年7月20日、江沢民国家主席(当時)は、静かな陳情を「囲攻」と曲解し、反政府・反革命・反人類の罪名を連ね、法輪功を弾圧を開始した。江沢民は「三ヶ月以内に消滅させる」としたが、法輪功迫害は10年目を迎える本年も続いている。10年前の真実は何だったのか。いまだ続く弾圧の背景には何があるのか。4月11日に開かれた大紀元時報講演会で、高峰 一氏(工学博士)が明らかにした。

弾圧前の法輪功は、中国共産党の最高幹部から大学教授など社会の上層部をはじめ、各階層の多くの中国人民から支持され、愛好されていた。実際、迫害の首謀者・江沢民以外の中央政治局常務委員のほぼ全員が法輪功創始者・李洪志氏の著書「転法輪」を読み、その家族や友人が法輪功の修煉により心身の健康が改善されていたのである。

99年は中国共産党政権統治50年を迎えることから、中共当局は96年ごろから、大衆の人気を集める法輪功に監視の目を光らし、出版物を制限し、各地のメディアなどを使い、法輪功を貶める宣伝活動を密かに展開していた。

99年4月23日に、天津師範大学の出版物で法輪功を貶める文章が掲載されたのもこの世論操作の一環であると見られている。これに抗議した学習者45人が当局に拘束されたのは不当であるとし、北京の中央政府総合官庁のある中南海の近くにあった国務院陳情局に、45人の釈放を求める学習者が各地から参集しただけで、決して中南海を取り囲んだわけではなかった。

迫害の首謀者である江沢民の手先として最初に動いたのは、当時の中央委員会委員の羅幹であり、1997年初め、職権を利用し、全国の警察に法輪功を秘密調査するよう指示したが、「何の問題もない」との結果に終わった。これにとどまらず、羅幹は1998年7月、国家安全部を通じ、法輪功を「邪教」として調査し、秘密警察に証拠を集めるよう指示したが、「犯罪証拠なし」との報告があった。

羅幹の悪意ある調査に対し、98年末、北京大学法学部教授などをはじめとする法輪功を修煉する著名人135人が、江沢民と朱首相に、これらの調査の不当性を指摘し、憲法に違反していると訴えた。

朱首相はこれに対し、法輪功は人々を健康にし、多大な医療費の節約を国家にもたらしたと記したが、首相の返信は羅幹に押さえられ、学習者らの手には渡されなかった。

4月25日に学習者が要求したのは、①天津で拘束された学習者の即時釈放②法輪功の修煉の合法化③法輪功関係の出版の合法化の三点だった。朱首相は、①の要求に応じ、天津で拘束された学習者はただちに釈放され、それを確認した学習者らは、陳情局を静かに離れた。②と③の要求については、朱首相が、陳情局と公安に直接相談してほしいと言ったことから、翌日と翌々日に法輪功学習者の代表が政府関係者と友好的に相談を進めた。解決方向に進んでいると見え、国際社会に高く評価された。

しかし江沢民は嫉妬心からこの合理的な処置を認めなかった。中共政治局の他の常務委員の反対を押し切り、独断で法輪功への弾圧を決めた。

法輪功への弾圧は江沢民の命令によってから始められたが、それは中共そのものの邪悪な本質に合っているからできたともいえる。江沢民が中共ナンバー1の地位から降りてもなお、法輪功学習者に対する「臓器狩り」などの酷い迫害が10年経った今でも続いているのはその左証であろう。中共は「嘘と暴力」を得意とする邪教であるからこそ、法輪功の唱える「真・善・忍」は彼らには我慢できないことになる。

中共及び江沢民は、すべての宣伝道具を利用して法輪功に対して根も葉もない誹謗中傷をおこない、弾圧及び迫害の口実を作り出していた。しかし、一旦これらの嘘が暴かれた時、これらの邪悪がすべて暴露され、もはや中共の宣伝の道具は民衆を騙すこともできなくなって、中国共産党は完全に民心を失うのである。

当局の虚偽のねつ造宣伝に感化される民衆も多くいたが、04年11月に大紀元時報に掲載された社説「九評共産党(共産党についての九つの論評)」により、中国共産党の「嘘と暴力」の実態が明らかになり、党関連組織からの離脱を宣言するものが続々と現れ、今月19日現在5300万人にものぼるという。

(記者・佐藤)
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