中国:相次ぐ警察の民衆への暴行、集団抗議続出

【大紀元日本5月25日】中国大陸では今年に入って、警察の民衆への暴行が原因による集団抗議が相次いでいる。5月19日正午ごろ、中国甘粛省白銀市会寧県で男性一人が複数の交通警察に暴行された事件で、周囲の民衆の怒りを買い、数千人の民衆が県政府庁舎の前に集まり抗議し、建物の一部および警察の車が破壊されたことにまで発展した。5月20日、遼寧省から北京を訪れた直訴者が警察から暴行を受けたため落胆し、手首を切り自殺を図ったが、警察らは被害者を病院へ運ばず放置した。これに対して約千人の直訴者の怒りが爆発し、道路を遮り警察の車を破壊し抗議した。

5月19日、目撃者によると、暴行を受けた学生とみられる張斌さんは当日昼、自転車で信号を無視し城南関の交差点を通過しようとしたときに、複数の交通警察に遮られ、警告なしでその場で顔面血だらけになるほど殴るけるの暴行を受けたという。当時はちょうど通勤時間帯で学生やサラリーマンが大勢おり、暴行の現場を目撃した。

怒った民衆は警察の車を道路の中央に押し込み、道路を遮り抗議した。しかし、警察は証拠隠滅を図るために、張さんを付近の警察大隊に連行し、血痕を取り除いた。これに対して、民衆の怒りが増し、警察と被害者を現場に戻し暴行の理由と謝罪を求めたが、午後4時まで未解決のまま対峙した。

午後7時頃に現場に集まった民衆は数千人に達した。これに対して、当局は機動隊と消防隊を出動させた。負傷した張さんは夜になってからようやく病院に運ばれたが、群衆は立ち去ることはなかった。同9時頃、機動隊は強制的に現場の民衆を追い払うためにスタンガンを使用したため、民衆の怒りが再燃した。数百人が県委員会、県政府庁舎の扉や窓を破壊した。官製メディアによると、今回の事件は白銀市当局の各部門の幹部が驚いたという。抗議は夜中まで続いたという。

一方、遼寧省出身の女性直訴者・田秀艶(30歳台)さんは、直訴者を拘束する遼寧省当局関係者から暴行を受け、落胆したあまり手首を切り自殺を図ったが、多くの警察が現場に駆けつけたにもかかわらず、田さんを無視して病院へ送らずに放置した。警察に病院へ送ってもらうように約千人の直訴者が田さんを道路の中央に運び訴えたため、交通は一時麻痺した。

遼寧省直訴者・田秀艶さん(大紀元)

約千人の直訴者の怒りが爆発し、道路を遮り警察の車を破壊し抗議した(大紀元)

情報によると、この少し前に、ある女性直訴者が出身地の当局関係者の暴力を受け死亡した。今回の田さんは同じように政府関係者に殴られたことが原因で自殺を図ったことに対して、警察に謝罪を求めたという。

しかし、当局は一向に治療が必要とする田さんを病院へ運ぼうとしなかった。怒りを覚えた直訴者らは現場にいた当局関係者の車の窓を壊し、当局関係者を怪我させた事態まで発展してから、当局がようやく田さんを病院へ送った。

現場にいた直訴者は、当局関係者が直訴者への暴力行為はこれまでに多くあり、これに対して怒りを覚えた直訴者らは、当局に対して抗議を続けるほかに、国内外のメディア関係者にも訴え続けるしかないと嘆いた。

(記者・方暁、古清児、翻訳編集・余靜)
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