「もはや待てない」 中国の新世代農民工、国家の安定に挑戦=全国労組連合報告
【大紀元日本6月25日】1%の家庭に41.4%の富が集中、世界でも貧富の格差が最も激しい国の1つの中国。所得配分の不平等により官民間の対立や群衆事件が頻繁に発生し、社会の不安定がピークを迎えている現状に関し、今年3月に開かれた両会(国策決定の場)では、社会所得の公平な配分が再び議論された。しかし、富のピラミッドの最も下に置かれている出稼ぎ労働者の農民工たちは、もはや「待てない」のだ。
中共中央政府直轄の労働組合「中華全国総工会」は今月21日、公式サイトやその機関紙の「工人日報」で、「新世代農民工問題の研究報告」を発表した。「方向性を持って新世代農民工問題を解決することは、すでに国家発展の大局に影響する肝心な問題となっている」とし、「その(農民工)訴求と問題の蓄積はすでに、我が国の政治と社会安定、経済の持続的な発展、農民工家庭の幸福や個人の発展にマイナスの影響を与えている」と示している。
報告では明言していないが、政策決定層に緊迫感を与えたのは、5月から表面化した製造業労働者の賃上げと独立系労組要求のストライキ風潮。台湾資本の世界最大の電子部品メーカー「富士康」での従業員の相次ぐ自殺や、広東省佛山にあるホンダ部品工場の連日ストライキが、出稼ぎ労働者によるストライキ風潮の幕を開けた。燎原の火のように、中国沿岸地区の製造業密集地域で起きたストライキが内地まで蔓延、現在も各地に拡大している状況である。
関連記事
【大紀元日本4月28日】「中国で革命が起きるのは時間の問題だ」。豪紙シドニー・モーニング・ヘラルドがこのほど、このようなタイトルの評論記事を掲載し、中国政権はいつ民衆の抗争により転覆させられるかは不
【大紀元日本8月20日】中国内陸部のストライキブームは北京に蔓延した。韓国ロッテ(LOTTE)グループの北京工場では、給与と福利厚生が不満だとして、300人の従業員全員が16日からストライキに突入し
【大紀元日本7月22日】オムロンの中国広州にある会社、オムロン(広州)汽車電子有限公司で21日、従業員が賃上げを求めてストライキに突入した。 ロイター通信の報道によると、従業員約800人のこの工場で
【大紀元日本7月16日】中国広東省佛山市で7月12日、ホンダ自動車に部品提供するアツミテックの中国工場「阿茲米特・汽配有限公司」で賃上げストが発生した。工場側が従業員との交渉を拒否したため、15日午
【大紀元日本7月6日】連続自殺事件で話題となった、電子機器受託生産(EMS)世界最大手の鴻海(ホンハイ)精密工業(台湾)の子会社であるフォックスコン(富士康科技)が、深セン市から撤退し始めた。7月1