春を見つけた娘
【大紀元日本6月26日】久しぶりに、女流画家である友人と会った。近々個展を開く彼女はアトリエにこもりっきりだったが、彼女は自分の作品の中でどれか一つ、気に入った絵を選んでほしいと言った。私は絵の専門知識など全くなかったが、彼女の作品の中に描かれていた人物像に興味を覚えた。
ひとつひとつの作品を眺めていると、ある作品に目が止まった。絵の中には、顔に深いしわが刻まれ、物寂しく虚ろな眼差しをした一人の老人が樹の下に座っている。「この絵は...」と言いかけると友人は、「ああ、それは父なの。3年前にここを訪ねて来た時に、適当に描いたものなのよ。それよりも、他の新作を見てちょうだい」と言いながら、「父」の絵を引き抜いて、選ばれなかった沢山の絵の中に投げ入れた。
私は「父」の絵が投げ捨てられたのを見てハッとした。彼女は幼い時に母親を失い、父親が男手一つで彼女を育て、画家になりたいという夢が実現するよう大学まで行かせてくれた話を、以前彼女から聞いたことがあったからだ。現在、成功を収めた彼女はいとも簡単に「父」を忘れ去ろうとしている・・・私は急に寂しい思いに駆られた。
関連記事
数百年を生きるグリーンランドサメの目は、200歳を超えても衰えていなかった? 最新研究で判明した、老化しない網膜と強力なDNA修復機構の驚くべき実態とは。人間の視力低下を防ぎ、加齢に伴う眼病治療の未来を変える潜在能力に迫ります
良い人生とは何か。快楽、意味、徳という古代哲学の問いを、炎症や寿命、細胞の反応から見つめ直します
非利き手で歯磨きや文字書きをすると、脳はいつもより働きます。集中力と神経可塑性を高める小さな習慣を紹介します
茶道に息づく「一期一会」の精神を、日常の何気ない所作や東洋思想の「仁」と結びつけて紐解くエッセイ。二度と戻らない「いま、目の前の瞬間」に全身全霊で向き合うことの尊さを静かに問いかけます
食事抜き、睡眠不足、トイレの我慢。忙しい人が見逃しがちな過労のサインと、体を守るセルフケアを紹介します