流行語で読み取る激変の中国(48)

【大紀元日本8月18日】急速な社会変化やインターネットの普及に伴い、中国では2010年に入ってから流行語の誕生が目覚ましい。今回は、これまでに紹介した流行語を、再び振り返るシリーズの2回目。現代中国人の感覚や価値観の一端を垣間見ると同時に、彼らのユーモアを味わってみよう。

 6、就算是believe,中間也藏了一個lie。

△ たとえbelieveであっても、その中にlieが隠れている。

注釈=英語の「believe」は信じること、「lie」はうそ。中国人は、お互いに信用しないことが多い。どんな事でも誰であっても、軽率に信用してはならないとしている。この流行語は、英語を巧みに利用して中国での信用危機を表している。

7、今天心情不好,我只有四句話想説。包括這句和前面的両句,我的話説完了。

△ 今日は機嫌が悪い。わたしはただ四句しか話したくない。この句と前の二句を含めれば、私の話は終わりだ。

注釈=空虚で冗長な常套句を言うのが、現代の中国人。この流行語は文字遊びのようなものだが、その背後には社会に対して不満を持つ、やり切れない自分がいることを表現している。

8、人不能在一棵樹上吊死,要在附近幾棵樹上多死幾次試試。

△ 人間として、ただ一本の木で首を吊ってはならず、周辺の幾本の木で何回も首つり自殺を試みなければならない。

注釈=「人不能在一棵樹上吊死」とは、行き詰った状態でも、ひとつの事に固執してはならないという意味のことわざ。行き詰った境地にある者を見て、他人がはやし立てる様子を表現している。他人の不幸を楽しむという歪んだ社会心理が伺える。

9、走別人的路,譲別人走投無路。

△ 他人の道を歩み、他人が歩める道をなくす。

注釈=「走自己的路」は、他人から何を言われようと自分の道を歩むべきだという慣用句。「走投無路」とは、行き場を失い窮地に陥るという諺である。この二句をつなげて、エゴイズムが氾濫する世の中を揶揄している。

10、思想有多遠,你就給我滾多遠。

△ 考えつく限りの最も遠い場所へ出て行け!

注釈=言葉の暴力も中国社会の深刻な問題の一つ。この流行語を通して、その一端を伺うことができる。