【大紀元日本8月22日】毎年、世界の大学ランキングを発表する英教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーション(THE)と、中国の上海交通大学。両方のランキングで常にトップを占めているのは米ハーバード大学だが、その他の順位には異なる大学が名を連ねている。気になるランキングの評価基準を見てみよう。
英THE誌の2009年度の評価基準は、以下の通り。(2010年度以降は新しい基準が導入される予定)
1. 査読(論文の内容と質を、他の学者が評価すること)(40%)
2. 雇用者レビュー(10%)
3. 教員&学生比率(20%)
4. 教員一人当たりの論文被引用件数(20%)
5. 外国人教員比率(5%)
6. 外国人学生比率(5%)
上記の基準に基づいて査定した結果、トップ10にランクインしたのは以下の大学である。
1.ハーバード大学(米)
2.ケンブリッジ大学(英)
3.エール大学(米)
4.ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(英)
5.インペリアル・カレッジ・ロンドン(英)
6.オックスフォード大学(英)
7.シカゴ大学(米)
8.プリンストン大学(米)
9.マサチューセッツ工科大学(米)
10.カリフォルニア工科大学(米)
アジアでは、東京大学22位、香港大学24位、京都大学24位、清華大学49位となっている。
一方、上海交通大学による2010年度の評価基準を見てみよう。
1.ノーベル賞もしくはフィールズ賞を受賞した卒業生の数(10%)
2.ノーベル賞もしくはフィールズ賞を受賞した教員の数(20%)
3.科学論文がよく引用される教員の数(20%)
4.ネイチャー誌(Nature)とサイエンス誌(Science)で発表された論文の数(20%)
5.SCIE(Science Citation Index-expanded)とSSCI(Social Science Citation Index)に引用された論文の数(20%)
6.上記5項目の指標ポイントの和をもって、全教員数を割って出した結果(10%)
上記の基準により、トップ10にランクインしたのは以下の大学である。
1.ハーバード大学(米)
2.カリフォルニア大学バークレー校(米)
3.スタンフォード大学(米)
4.マサチューセッツ工科大学(米)
5.ケンブリッジ大学(英)
6.カリフォルニア工科大学(米)
7.プリンストン大学(米)
8.コロンビア大学(米)
9.シカゴ大学(米)
10.オックスフォード大学(英)
アジアでは東京大学20位、京都大学24位、清華大学191位、香港大学207位となっている。
英誌THEの評価基準では、教員数の多い大学が高評価になりやすく、教員の能力、教育レベルや学生の質が十分反映されていないようだ。一方、上海交通大の場合、科学界最高権威による評価の比重が大きすぎるため、上位にランクインした学校を除けば「どんぐりの背比べ」状態になりやすい。また、評価の指標は学校というよりも、教員への総合評価と思えるほど限定的だ。
これらのランキングは、世界中の研究者が参考にしているというが、それぞれの評価基準を理解した上で判断することが大切である。もちろん、これらのランキングでは見えない様々な良さも各大学にはあるわけだが、例年、欧米系の大学に差をつけられるアジア勢の大学にとって、見えてくる課題がある。
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