米司法省の最新発表によると、世界製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の元研究者4人はGSKの機密情報を盗み、中国製薬会社に渡したことについて、罪を認めた。
司法省のジェニファー・アーベッティル・ウィリアムズ(Jennifer Arbittier Williams)検察官は3日、ルーシー・シー(Lucy Xi、44)被告は他人と共謀し、GSK社から企業秘密を盗み、中国の南京任諾薬業有限公司(Renopharma、以下は任諾薬業)に提供したことを認めたと発表した。
シー被告は、ユウ・シュエ(Yu Xue)被告、タオ・リ(Tao Li)被告、ヤン・メイ(Yan Mei)被告とともに、任諾薬業を設立した。
司法省の発表では、任諾薬業は中国当局から資金支援を受けている。
シー被告とシュエ被告は、ペンシルベニア州にあるGSK社の生産工場で研究員として勤務していた。同工場ではバイオ医薬品分野の開発と製造が行われている。2015年1月、シー被告は夫であるメイ被告に、モノクローナル抗体研究を含むGSK社の内部情報を電子メールで送った。
シー被告は電子メールの中で、「これ(内部情報)をよく理解した方がよい。将来の(任諾薬業の)業務のために役に立つだろう」と書き残した。
メイ被告は現在、中国国内にいるため、米政府は逮捕に至っていない。米国にいるシュエ被告、シュエ被告の妹であるティエン・シュエ(Tian Xue)被告、リ被告は、罪を認めている。
ウィリアムズ検察官は「これらの犯罪行為に対して、法が及ぶ最大限の範囲において訴追しなければならない」と厳しい姿勢を示した。
米国籍のシュエ被告(48)は2018年8月31日、地裁での公判で罪を認めた。同被告は、科学界の著名なタンパク質生化学者の1人であり、GSKの研究機関で約10年勤務し、同社の上級幹部でもある。
2016年、連邦捜査局(FBI)がリ被告を拘束し、そのパソコンを押収後、シュエ被告からGSK社の機密研究情報などの電子メール送信を確認した。
(翻訳編集・張哲)
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