世界の「海洋生物センサス」 4分の3の生物種が未発見=国際調査チーム

【大紀元日本10月11日】10年間にわたり世界の海洋生物を調査した「海洋生物センサス(Census of Marine Life=CoML)」の結果が4日、英国で発表された。科学者たちは「世界に存在する100万種を超える海洋生物のうち、4分の3は未発見であることが分かった」と述べた。

2000年に始まったこのプロジェクトには、80を超す国や地域からおよそ2700人の専門家が参加し、540回を超す海洋調査が行われた。調査対象の海域は極寒の海から熱帯の海までおよび、日本東南部のマリアナ海溝では水深1万メートルで探究が行われた。その結果、6000種以上が新たに発見されたという。

科学者たちは、「海洋に存在する生物種は微生物を除いておよそ100万種。そのうち、約25万種が正式に科学文献に収められている。未だに調査されず、資料にも載っていない海域は、ヨーロッパで10%、地中海75%、オーストラリア80%,南アフリカ38%,南極大陸39~58%,日本70%となっている。一方、微生物種の数は10億種に達するだろう」と推測している。

同プロジェクトチームが利用したのは、海洋生物地理学情報システム(Ocean Biogeographic Information System、OBIS)。当システムのデータベースには12万種の生物に対する2800万の研究項目が登録され、何世紀も前に遡るデータも蓄積されている。同データベースは毎年500万の研究項目が更新される予定だ。

センサス委員会主席を務めるオーストラリア海洋科学研究所のイアン・ポイナー(Ian Poiner)氏は、「今回のセンサスは初めて、全世界の系統的な既知と未知の海洋生態(生物種)に対する定義を設けた。今後も研究を続ける予定だ」と話した。

さらに詳しい内容については、名古屋市で開かれる生物多様性条約第10回締約国会(COP10)で発表される。

(翻訳編集・李頁)