紙一枚のリチウム電池 折りたたみも携帯も自由

【大紀元日本10月15日】米スタンフォード大学の研究チームは先月、一枚の紙に充放電可能な超薄形リチウムイオン電池を組み入れ、軽量で自由に携帯できる電源の開発に成功したと発表した。この発明は今後のスマート包装や電子タグ、およびセンサーなどの電源問題の解決に繋がることが期待されている。同論文は、アメリカ化学会の「ACS NANO」誌に掲載された。

米スタンフォード大学材料科学者のLiangbing Hu(リァンビン・フー)氏ら研究チームは、カーボン・ナノチューブ (Carbon Nanotube)の薄膜の上にリチウムチタン酸化物とリチウムコバルト酸化物の膜を析出させ、2種類の2重層フィルムを作成。その後、普通の紙の両面にそれぞれその二種類の二重層フィルムを貼り付けることによって目的の電池を作成した。紙自体は土台としてバッテリーを支え、同時に電極を分離する両方の役割を果たし、リチウム化合物の膜は電極として、カーボン・ナノチューブ膜は正極と負極の集電体としての役割を果たす。

研究チームによると、今回発明した電池の厚さはわずか300ミクロンで、他の超薄型電池に比べて薄く、携帯に便利で容量も大きい。また、同電池は300回以上の充電測定試験を受け、耐久性に優れていることが分かったという。

米テキサス州ライス大学のパリケル・アジャヤン(Pulickel M. Ajayan)氏は、炭素ナノチューブやリチウム化合物を紙と組み合わせたことが、超薄型電池を可能にしたと評し、「このような単純な作成技術が、他のナノ物質を集積化して次世代エネルギー蓄積装置を開発するのに役立つだろう」とコメントした。

(翻訳編集・豊山)