栄養学者といえば、人々に健康的な食生活を指導する存在です。では、ハンバーガーやフライドポテトといった「ジャンクフード」の代表格であるマクドナルドを、彼らは自分の子どもに食べさせているのでしょうか。
「ハフィントンポスト」の報道によると、ファストフードには不健康なイメージがあり、子どもに食べさせることに罪悪感を覚える親も少なくありません。しかし、栄養学者たちは「一概には言えない」と指摘しています。つまり、マクドナルドが必ずしも悪いわけではないという考え方です。
複数の栄養学者へのインタビューを次のようにまとめました。考え方や状況はさまざまですが、共通していたのは「子どもをマクドナルドに連れて行くことはある」という点でした。
レイチェル・トロッタ氏
トロッタ氏は、自宅にはさまざまな食材を十分にストックし、料理のほとんどを手作りし、外出時にはフルーツを持参するなど、日常の工夫をしています。それでも、「マクドナルドを悪と決めつける必要はない」と考えています。
「時には批判を気にせずファストフードを食べることが、物事を適切に判断する力を身につける助けになるかもしれない。どんなものでも必要以上に否定する必要はありません」と語ります。
5歳の娘はこれまでマクドナルドを食べたことがありませんが、それは「禁止しているから」ではなく、結果的にそうなっているだけだといいます。大切にしているのは「お腹が空いたら食べ、満腹になったらやめる」という体の声に耳を傾ける習慣を育て、食べ物を正しく認識する力を持たせることだと話します。
ジュリア・キャシディ氏
キャシディ氏は「食べ物は単なる『もの』であり、イデオロギーで良し悪しを決める必要はない」と強調します。「『ジャンクフード』や『禁止食品』とレッテルを貼ってしまうと、その食べ物を食べたがる子どもが罪悪感を抱き、『食べたい』と言い出せなくなります。それはむしろ好き嫌いなど、不健全な食習慣につながりかねません」と指摘します。
彼女の息子たちは他の食べ物と同じように、時々マクドナルドを食べています。キャシディ氏にとってマクドナルドは「便利さ」「楽しみ」、そして「家族の習慣」という意味を持っています。試合観戦に向かう途中に買うチキンナゲットはまさに便利で、家族の共通の楽しみになっています。

アリザ・マロジー氏
マロジー氏は、普段は子どもを連れてわざわざマクドナルドに行くことはありませんが、誕生日や友人との集まりなど特別な日には利用するといいます。
彼女は「食べ物に制限を設けるより、子どもが栄養のある食材を自分で選べる力を身につけることが大切です」と話します。
さらに「健康とは身体的なものだけでなく、社交的な健康も含まれます。友達と一緒に楽しむ食事の時間は、子どもにとって大切なコミュニケーションの経験です」と強調しました。
ハイディ・マクインドゥー氏
マクインドゥー氏が子どもをマクドナルドに連れて行く主な理由は、心理的要因と子どもの健康への影響にあります。
彼女は「特定の食べ物を完全に禁止すると、かえって子どもの興味を引いてしまう」と指摘し、「『良い食べ物』『悪い食べ物』という考え方を強めると、大人になったときの好き嫌いなど、不健全な食習慣につながる可能性がある」と警告します。
そのため、マクドナルドは「たまに食べるもの」と位置づけ、旅行中などでは選択肢の一つとして活用しているそうです。注文時にはフライドポテトやハンバーガーだけでなく、牛乳やリンゴスライスを組み合わせ、栄養バランスを意識しています。
さらにその日に不足している栄養素について子どもと話し合い、夕食でどのように補うかを一緒に考える取り組みもしています。

サラ・シュリヒター氏(3児の母)
シュリヒター氏は「食事の選択には柔軟性が大切です」と語ります。
「マクドナルドは日常的ではないものの、外出時に手軽で楽しい選択肢になり得ます。栄養面を考え、子どものメニューに果物や100%ジュースを加えるなど工夫すれば、楽しい食事にできます」とアドバイスしました。
ニッキ・ファタ氏
ファタ氏は「私はどんな食べ物でも健康的な食生活の一部になり得ると信じています。マクドナルドも例外ではありません」と語り、
「賛同する人もいれば、そうでない人もいるでしょう。しかし、他人の食習慣を否定したり、恥を感じさせたりする必要はありません」と述べました。
さらに「最も大切なのは、子どもが食べ物について正しい知識を身につけ、前向きに向き合えるようにすることです。それが一生の財産となり、罪悪感やストレスを伴わない健康的な食習慣につながります」と強調しました。
(翻訳編集 正道勇)
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