CSモット小児病院の「全米子ども健康調査」によると、アメリカの子どもの60%は定期的に外で遊んでいる一方で、ほとんどの時間を屋内で過ごしている子どももいます。
同調査では、1歳から5歳のアメリカの子どもの10人に1人が、週に1回しか外で遊ばない、あるいはほとんど外遊びをしないことが分かっています。
屋外で過ごす時間が不足する影響は、全米で顕在化しています。肥満率の急上昇、不安やうつの増加、集中力や体力の低下です。
屋外遊びは単なる娯楽ではなく、健やかな成長に不可欠です。丈夫な骨から鋭い思考力まで、自然の中で過ごす時間は、スクリーンや屋内活動では代替しにくい形で、子どもの身体的・情緒的・認知的成長を形づくります。
屋外遊びは成長を促す
屋外遊びは子どもを動かします。そして、動くことこそが成長を促します。
走ったり跳んだりして会話が難しくなるほどの激しい遊びや、体を伸ばしたり自分の体重を支えたりする活動は、骨や筋肉を強くし、成長を刺激します。
2024年の研究によると、緑地など屋外活動を促す環境に住む子どもは、骨密度(骨に含まれるミネラル量)が高い傾向にあります。
「子どもは屋外にいると、より多く動き、座っている時間が減り、長く遊び、睡眠の質も良くなります」と、クイーンズ大学運動学・健康学部の准教授、Eun-Young Lee氏はエポック・タイムズに語っています。
屋外遊びは健康を整える
過去17年間、アメリカの子どもたちの健康状態は低下してきました。屋内で過ごす時間とスクリーンタイムが増えた結果、肥満や慢性疾患が増加しています。
屋外にある自然の要素は、子どもの体の働きを細やかに調整し、免疫系を強化し、気分を高める可能性があります。
屋外で多くの時間を過ごす子どもは、身体的健康状態が良好な傾向にあります。屋外で多く過ごす10代は心肺持久力(心臓と肺が酸素を体に供給し続ける能力)が高く、未就学児はBMIが改善し、肥満リスクが低下する可能性があります。
フィンランドの研究では、自然のある屋外で遊ぶ子どもは、皮膚や腸内のマイクロバイオータ(微生物叢:体内外に共生する細菌の集まり)がより多様になり、アレルギーを起こしにくい、調整の取れた免疫系に関連する免疫指標が高いことが示されました。
子どもが土を掘ったり、木に登ったり、泥団子を作ったりすることで、免疫系に「何と戦い、何を許容するか」を学習させる有益な微生物に触れます。幼少期にこうした経験が不足すると、免疫系が過敏になり、将来的にアレルギーや自己免疫疾患のリスクが高まる可能性があります。
太陽光は自然に備わった体内時計として、子どもの睡眠と覚醒のリズムを整えます。外で遊ぶ子どもは夜中に目覚める回数が少なく、より長く眠る傾向があります。
屋外の空気はより新鮮です。屋外遊びでは排気ガスや花粉などの汚染物質に触れる可能性もありますが、屋内空気への総曝露量を減らすことが多くあります。屋内空気は屋外より2~5倍、場合によっては100倍も汚染されていることがあります。清掃用品、パーソナルケア製品、調理時の煙などの汚染物質は屋内に蓄積し、閉じ込められやすいのです。
屋外遊びは発達中の脳を育てる
屋内空間と比べて、自然や屋外には無限の可能性があります。切り株一つでも、子どもの想像力次第で台にも、椅子にも、テーブルにもなります。
自然が豊かな屋外環境が与えられると、子どもは探索や工作、体を使った遊びに多くの時間を費やし、創造性や問題解決力を育みます。これらは脳の発達に欠かせない基礎要素です。
未就学児を対象にした別の研究では、1日に3時間以上屋外で過ごす子どもは、集中力が高く、友だちを作りやすく、感情のコントロールも上手で、同年代の子どもより成熟していることが分かりました。
「屋外には、家庭の閉ざされた部屋とは違う、広がりの感覚があります」と、モット調査の共同ディレクター、サラ・J・クラーク氏はエポック・タイムズに語っています。
屋外遊びは、子ども主導で自発的な遊びを支えます。多くの屋内環境が特定の活動や結果を想定して設計されているのに対し、屋外では子どもが選択し、主導し、自分の遊び体験を形づくる自由があります。
「開放的な屋外環境は、自立心と自己効力感を育てます」と、児童・思春期精神科医でエモラ・ヘルスのアドバイザーでもあるアンドレア・ディアス・ストランスキー医師は語ります。「楽しい屋外活動を考え出そうと無理をする必要はありません。子どもは時間とともに自分で見つけるのです」
屋外遊びはリスクを伴う
子どもの予定が詰まりすぎていること、専用スペースの不足、デジタルメディアの台頭など、屋外遊びが減少した理由は多くありますが、最大の障壁は、親の安全への不安の高まりです。
モット調査では、親の10人中4人が、子どもが高く登りすぎたり、遠くまで行きすぎたりすると不安を感じると答えています。理解できる反応ではありますが、こうした経験を常に制限すると、成長に必要な「リスク評価」を学ぶ機会が奪われます。
屋外環境は、滑りやすい坂や登れる木、変化する地面など、常に不均一で変化に富んでおり、子どもが乗り越え方を学ぶべき課題を自然に提示します。
「リスクはしばしば悪い言葉のように捉えられます。親、近隣住民、保育者、保険会社、学校、自治体などによってです」と、イ氏は述べています。
リスキー・プレイ(適度な危険を伴う遊び)は、どこまで登るか、森を探検するか、汚れるか、近所を歩き回るかを、子ども自身が決める自由を与えます。「子どもを子どもらしくさせることです。より健康で、より活動的な子どもになります」と彼女は付け加えています。
遊びの中でリスクを避けすぎると、悪影響が生じる可能性があります。安全に限界を試し、困難に対処する機会が与えられないと、恐怖反応が鍛えられず、新しい状況に不安を感じやすくなり、自信を持ちにくくなります。
クラーク氏は、リスキー・プレイが認知・情緒・身体の発達が同時に起こる瞬間を生み出すとも指摘しています。例えば、滑り台を下から上る子どもは、滑り降りる方法を考え、不安と誇りの感情を管理し、登るために体力を使います。「それは、わずか数分で起こる発達の三重奏です」
小さな冒険を通じて、子どもは試行錯誤で学び、失敗と成功の両方を経験します。こうした経験は、予測不能な環境を乗り越え、自力で課題を克服する自信を育てます。
しかし現代の親は、リスクを探ることよりも安全に重点を置くよう促されがちです。「安全を重視した製品は非常に多く、乳幼児健診での事前指導も安全中心です」とクラーク氏は言います。
「遊びが子どもの発達にどう貢献するのか、親がどのように多様な遊びを促せるのかについては、同じだけの時間と焦点が与えられていません」その結果、多くの親は安全確保については徹底的に教えられる一方、子どもが健やかに成長するために必要な、活発で想像力豊かな遊びについては、あまり聞く機会がないのです。
2015年のメタ分析(複数研究を統合した分析)では、親の多くが、見知らぬ人、交通、いじめへの不安から屋外遊びを制限していることが分かりました。また、「良い親は常に監督するべきだ」という現代的な育児観が、子どもの自由な探索をさらに制限していることも示されました。近所に遊び相手が少ないこと、地域のつながりの希薄化、遊び場の私有化といった社会的要因も、自然発生的な屋外遊びを安全で身近なものに感じにくくしています。
親にできること
ストランスキー医師は、構造化されていない、子ども主導の屋外遊びを認めるよう助言しています。
- 日常に屋外遊びを取り入れる:自由遊びや散歩、公園訪問など、毎日60分の屋外遊びを目標にします。
- 冒険的な遊びを促す:年齢に応じたリスク、例えば登ることや自然探索を認め、自信と回復力を育てます。
- 安全な場所を選ぶ:近隣の公園、学校の校庭、図書館の庭など、手入れの行き届いた緑地を探します。
- スクリーンタイムのバランスを取る:特に就寝前は、スクリーンと同じかそれ以上の時間を屋外で過ごすよう支援します。
(翻訳編集 井田千景)
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