ココナッツウォーターと潰瘍性大腸炎の新たな可能性

潰瘍性大腸炎の管理は、予測しづらい病状の変動(病状の急激な悪化、個人的な誘因となる食品、食事制限の難しさなど)に向き合うことを意味します。しかし、新たな証拠によると、1日2回 約240ml のココナッツウォーターを飲むというシンプルな介入が、一部の患者で寛解の達成に役立つ可能性が示唆されています。

「これまで長い間、消化器専門医でさえ患者に『食事は関係ない』と言うことがありました」と、機能栄養士でOswald Digestive Clinicのオーナーであるアシュリー・オズワルド氏はエポックタイムズに語りました。「しかし今は本当に転換点にあり、そのように言う医師は減ってきています。それはとても前向きな変化です」

潰瘍性大腸炎は推定100万人のアメリカ人に影響を及ぼしており、大腸に腫れや炎症、潰瘍を引き起こします。炎症性腸疾患(IBD)の一種で、もう一つは消化管全体に炎症を起こすクローン病です。

主に遺伝的要因が強い自己免疫疾患と考えられていますが、潰瘍性大腸炎は食事の影響も受けることが分かってきています。特に、加工食品に多く含まれる添加物を避け、地中海式食事を取り入れることが有益である可能性が示されています。

その中で、ココナッツウォーターが症状や炎症の軽減に関与する食品として注目されています。
 

ココナッツウォーターが作用する理由

2024年に『Clinical Gastroenterology and Hepatology』に掲載された研究では、1日2回ココナッツウォーターを摂取した潰瘍性大腸炎患者の半数以上が、8週間以内に寛解を達成しました。これはプラセボ群のほぼ2倍にあたります。

ココナッツウォーターの効果は、複数の作用機序による可能性があります。

抗炎症作用や抗菌特性が腸粘膜の刺激を和らげると考えられています。著者らによると、ココナッツウォーターを摂取した患者では、内視鏡所見、炎症マーカー、腸内フローラ(腸内細菌叢)の構成に改善がみられました。

また、この飲料は腸内フローラのバランスを整え、有益な菌を増やし、有害な菌を減らす方向に働く可能性が示唆されています。

「食事の変更で腸内フローラが2~3日で変化することは分かっています」とオズワルド氏は述べています。「ココナッツウォーターが疾患に影響を与える可能性があるなら、これらの疾患に苦しむ人にとって、本物の全食品に切り替えることは十分に試す価値があります。そして、栄養プランにココナッツウォーターを取り入れることも一つの方法です」

研究では、ココナッツウォーターを摂取した参加者において、8週間後にタンパク質、脂肪、炭水化物といったマクロ栄養素の摂取量に加え、カリウムや食物繊維の摂取量が有意に増加していました。

オズワルド氏は、ココナッツウォーターは下痢や炎症性疾患、ディスバイオシス(腸内フローラの不均衡)に悩む人にとっても、補助的な選択肢となる可能性があると述べています。
 

カリウムの重要性

ココナッツウォーターはカリウムを豊富に含み、1カップで中サイズのバナナに匹敵する量を摂取できます。この必須ミネラルは、潰瘍性大腸炎の患者では下痢や特定の薬剤、大腸の炎症による吸収障害のため不足しやすくなります。その補充は、疾患管理の一助となる可能性があります。

「定期的な下痢や嘔吐、ステロイド使用がある場合、失われたカリウムを補うことは有益である可能性があります」とオズワルド氏は述べています。

脱水は潰瘍性大腸炎患者にとって、特に症状が悪化している時に注意すべき問題です。コルチコステロイドや一部の免疫抑制薬は排尿を増やし、体液バランスに影響を与えることがあります。また、血便による出血も体液や電解質の不均衡を招く可能性があります。

アメリカ女性を対象とした研究では、食事から十分なカリウムを摂取している人は炎症性腸疾患を発症するリスクが低いことが示されました。さらに試験管研究では、カリウムが炎症性免疫細胞を減らし、炎症状態にある免疫系において調整的な免疫細胞を増やす可能性が示されています。免疫細胞の不均衡や機能異常は、自己免疫疾患の発症に関与すると考えられています。

2024年の研究著者らは、今回の結果が、軽度から中等度の潰瘍性大腸炎患者を対象とした抗炎症食や糞便微生物移植の効果を検討したランダム化臨床試験の結果と類似していると述べています。

ただし、ココナッツウォーターはより穏やかな介入である点が異なります。糞便微生物移植(健康なドナーの便を内視鏡やカプセル、浣腸などで患者に移植する治療法)は、研究以外の場ではまだ広く利用できるものではありません。

潰瘍性大腸炎やその他の炎症性疾患を抱える人にとって、ココナッツウォーターはオズワルド氏の言う「試してみる価値のある実験」といえるでしょう。疾患に影響を与える可能性のある食品の力を認識しつつ、より包括的な栄養プランに取り入れやすい、比較的低リスクの選択肢です。

「これらの疾患に苦しむ人にとって、本物の全食品への切り替えは本当に試す価値があります。そして、その栄養プランにココナッツウォーターを一部取り入れることもできます」とオズワルド氏は述べています。

(翻訳編集 日比野真吾)

イリノイ大学スプリングフィールド校で広報報道の修士号を取得。調査報道と健康報道でいくつかの賞を受賞。現在は大紀元の記者として主にマイクロバイオーム、新しい治療法、統合的な健康についてレポート。