【大紀元日本12月27日】子どものいる家庭では、お正月といえばお年玉だが、イギリスでは、クリスマス・ストッキングが定番だ。夜寝る前に、ベッドの横に大きなストッキング(靴下)を掛けておくと、サンタさんがやってきてプレゼントを入れてくれる。(しっかり寝ていなければサンタさんは来ないが…)
昔ながらのストッキングの中身は、リンゴとかミカンなどのフルーツ一個と木の実。そして小さなブリキのおもちゃなどだったそうだ。スーパーで簡単に買い物ができるようになる前の時代、簡素なプレゼントに心を弾ませた子どものころの話をしてくれたイギリス人がいた。中に手を入れずにまず外から触って中身を推測するところが一番楽しかったらしい。
我が家では、毎年、ストッキングをキッチンの椅子に掛けておき、翌朝、自分の腰掛ける場所に掛かっているストッキングの中身を取り出すことが習慣になっている。
ストッキングの中身は、バナナやミカン。そしてナッツとレーズン。また、ビスケットやチョコレートのプレゼントを親戚や近所から多くもらってしまうことを心配するサンタさんは、歯磨き粉と歯ブラシを入れてくれる。
トナカイさんに連れられて、プレゼントを配達(写真=筆者提供)
今年のクリスマスは、遠方の親戚の家に招かれたため、事前に近所や親戚から受け取ったプレゼントなど全てをスーツケースに詰め込んで家を出た。スーツケースが持ち上がらないほど重くなったため、タクシーを呼んだら、何とトナカイの格好をした運転手さんが現れた。というわけで、トナカイさんが引く(?)四角い箱にサンタさながら乗り込んだ。
ツリーの下に山積みにされたプレゼント(写真=筆者提供)
親戚の家には、巨大なツリーが飾ってあり、その周りに所狭しとプレゼントが置かれていた。プレゼントは25日になるまで開けてはいけないという不文律がある。
皆で乾杯してからプレゼントを開け始める。大人だけの集まりだったが、セーターやスカーフ、植木、石鹸、書籍などのプレゼントが次々に開けられていった。 家族8人、呼吸を合わせ、散らばった包装紙もどんどん片づけられていった。
庭を臨むサンルームでクリスマス・ディナーを待つテーブル(写真=筆者提供)
プレゼントの後は、七面鳥のクリスマス・ディナー。近所の農場から直接購入したという特製ローストだったが、思ったより大きく、中まで火を通すのに時間がかかってしまったとかで、通常、午後の2時とか3時ごろには食べているはずのディナーが、なんと7時になってしまった。お腹を空かせながらも、誰も文句一つ言わず、ホストにプレッシャーをかけないように、散歩に行ったり、女王陛下のスピーチを見たりして、時を過ごした。
念願のディナーは、とても美味しく、デザートのクリスマス・プディング(フルーツやナッツと小麦粉を会わせ、数時間蒸したケーキ)とアイスクリームの組み合わせも最高だった。待っていたかいがあったねと皆、満腹になり満足したようすだった。
クリスマス・ストッキングから始まり、典型的な英国の家族のクリスマスが、今年も無事に終わった。
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