<赤龍解体記>(8) 塩買だめ騒動の社会的背景
福島原発事故を発端として、中国では民衆の塩の買だめ騒動が起きた。この騒ぎは、非常識だとされているが、しかし当事者たちにとっては命や健康にかかわる重大で深刻な問題であった。
■政府通知や専門家のデマ批判は逆効果
中国の塩にはヨウ素を添加したものがあり、その塩を摂取すれば、放射能被害を食い止めるという噂により、3月16日から中国の東南沿海地区を中心に広い地域でヨウ素添加の塩を買だめする騒動が起きた。ヨウ素添加塩の値段は一時数倍から数十倍まで値上がりしたが、それでも塩争奪戦は終止しなかった。
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「21世紀は中国の世紀だ」と中国人は気負う。文明史的な視点から見れば、このことばは自惚れの嫌いがあっても、必ずしも過言ではないかもしれない。将来、歴史的事実として証明されるであろうが、中国の台頭およびその影響力の増強は人類文明史の必然のステップであり、歴史の発展の大趨勢である。
毛沢東の時代から、中共の指導者たちは自分の権威性とその時代の特性を誇示するために、独自の政治スローガンを打ち出してきた。例えば、江沢民の「三つの代表」や胡錦涛の「調和社会の建設」などは、記憶に新しい。その中共が最近また打ち出してきたのが、「幸福」という新しい政治スローガンである。
重慶市は中国の4大直轄市の1つであり、市のトップである薄煕来は、来年開催予定の中共18大で政治局常務委員に抜擢される有力候補の1人とされ、つねにその剛腕的な政治や突飛な発言により注目され、物議を醸している。
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4月14日、温家宝首相は中南海で、新しく招聘した8名の国務参事と5名の中央文史館館員に証書を授与し、座談会で談話を発表した。中共の政局が激変している今、温家宝の特異な談話が今中共の政局にいかなる影響を与えていくかが注目されている。
世界情勢が激変し、中共の内部闘争や分裂が表面化している今、軍隊の立場と役割が中国の未来を左右するもっとも重要な要素となっている。それゆえ、「安定」を最大の政治目標とする中共指導部にとって、民間人より軍隊の乱れを未然に防ぐのが最大かつ最重要の課題となっている。
胡錦涛が中共トップに登った当初、「胡温新政」として大いに期待されていた。これまで、江沢民の上海組からひどくけん制されるだろうと、彼の不作為を寛大に見つつ奮起するのをずっと待っていた。
5月14日、中国新華社ネットおよび国営の大手メディアは一斉に、習近平が中共の幹部に、マルクス、レーニン、毛沢東の著作を学習するよう強調したと報道している。
中共解放軍の陳炳徳総参謀長が率いるハイレベルの軍事代表団が、今月15日から22日まで米国を訪問した。18日には、米国国防大学を訪問、マレン米統合参謀本部議長と会談し、その後記者会見を行った。