<赤龍解体記>(34)中国官職の市場価格

【大紀元日本10月3日】中国では官職の売買は、もはや当たり前のことになっており、かつ次第に加速している。しかし、その価格は官僚内部の者でなければ知るすべはない。最近、「黄花崗雑誌」がその一端を披露した。

中国の官職の価格はいったいどれくらいであろうか。それは今、他の商品と同様に市場原理に応じて売買されている。すなわち、官職の階級や職務の重要度、所在地域の発達度そして時勢によってその価格はそれぞれ異なり、一概には言えないのである。

まず、官位の高低による価格を見てみよう。一般的に言えば、省部級(省は日本の県、部は日本の行政機関としての省に相当)以上の官職は、少なくとも数千万人民元(1万人民元≒12万円)、庁局級(省部級より一つ下の階級)クラスは500万人民元、処長クラスの官職は200万人民元、最低級の課長クラスも少なくとも5~10数万人民元かかる。

職務の重要度による官職の価格。同じ階級の官位と言っても、所管する範囲や対象の相違によって、そのグレーマネーによる収入が当然異なるので、その売買価格は同一ではない。たとえば、土地局長と統計局長の場合、同じく局長とはいってもかなり大きな価格差がある。県(中国の行政は、中央、省、市、県、鎮、村と分けられている)の土地局長でも、その官職価格は少なくとも30万人民元かかるが、同じく県の統計局長は最大でも10万人民元であり、その差は20万人民元以上となる。なぜなら、土地局長は、土地開発を批准する際に、どの場合にもずっしりしたグレーマネーが入ってくるのに対し、統計局長の方は、ただ上または下の者が政治的実績を作るために偽りの統計をしてあげるしかできないからである。いわば実利を伴わない職務である。むろん、土地局長より、直接に国家と国民の金銭を管理する財政局長や銀行長の官職価格のほうがより高いのであるが。

また、地域によっても官職価格は異なる。発展した地域は物価が高いし、官職の価格も高い。これに対し、貧しくて立ち遅れている地域の官職価格は相対的に低い。同じクラス、同じ部門であっても、地域によってその格差はかなりのものである。たとえば、広東省などのような経済発展地域の官職価格は貴州などの立ち遅れている地域よりかなり高く、その差は数倍から10数倍もある。広東省の県クラスの工商銀行長の価格は少なくとも200万人民元であるが、それが貴州省であればおおよそ25万人民元で済むのである。

中共の官職価格は年々上昇し続けている。たとえば、県のトップである書記は、ある地域では以前の50万人民元から今は300~500万人民元に値上がりしている。その理由は極めて単純である。一つは、官職を売る者は高値を付けて売りたい。二つめに、官職を買いたい者が多く、競争が激しいので、市場原理によりその相場は自ずと高くなる。三つめに、官職を買った後の利益がますます高くなっているからである。

県の書記を務めれば、その地域の王様になる。所管地域の各部署、鎮、村及び関連企業などの人事や財政の権力を一手にするばかりでなく、その地域のすべての者の生殺与奪の権限も握ることになる。それを武器に官職を売れば、収益は相当なものになるはずである。

中国の官界にこういう流行語がある。「ひたすら頑張るなら抜擢されるはずはない。努力しつつ上司に贈賄すれば重用される」。中共の官職はもはや、市場化しており、公然と売買するところや人もあるし、隠れて取引を行う場合もある。一般的に、企業家や億万長者などが人民代表大会代表や中国人民政治協商会議委員などの職を買うより、中共体制内部で、すなわち官僚同士で官職の売買を行うほうが圧倒的に多く、かつ安全でスムーズに運ばれる。

では、今の中国でお金を出さずに官職を手にした者はいないのか。いる。しかし、これは二種類の人間に限られる。一つは、美人で権力や利益に貪欲な女性。つまり、このような女性は女色をもって権力を手にしたのである。今一つは、中共内部の高級権力者たちの子女や親戚たちである。彼らは代償を支払わずにただ後ろ盾の権力や影響力に頼って簡単に官僚になれるのである。

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