重慶亡命事件、「精神障害」で決着か 消息絶つ王立軍

【大紀元日本2月18日】「精神障害のせいで、米領事館に駆け込んだのだ」。世界中が注目した重慶亡命事件は、これで片付けられる可能性が出てきた。

北京にいる政治評論家で、「天下公言文化伝媒」社の李偉東・研究員は15日、自身の微博(マイクロブログ)にこのように書き込んだ。「(米領事館に駆け込んだ王立軍は)すでに妄想性障害だと認定されている。ボスに暗殺されると妄想し、米領事館に逃げ込んで北京の大ボスの助けを待っていたのだ。なので、これは突発した個別的な案件であり、このハプニングによって重慶の経験を否定することはできない。すべてが平穏無事になる。(薄煕来が)若干バツが悪かったかもしれないが、反省書を書けば済むことだ。せいぜい常務委員にならなければいいのだ」

このように北京政府の出方を推測し揶揄する李研究員に証拠があるかどうかは不明だが、「精神障害説」は他でも広がっている。

重慶政府系サイト・華龍網によると、ネット上に王立軍の「診断書」とされるものが流出している。この「診断書」は重慶市第三軍医大学に出されたものと見られ、王は「重度のうつ病」を患っているとしている。

「診断書」によれば、王は同大学の大坪付属病院に通院しており、医師に「仕事のプレッシャーが大きい」「長期にわたって睡眠不足」「精神が高度に緊張し、寝る時も電気を付けないと怖い」と話している。

さらに、昨年末から「思考がおぼつかない。言葉と考えが論理性に欠ける」「焦燥や情緒不安定、ヒステリックの症状が頻繁に現れる」と病院は見ており、「重度のうつ病」と診断されたという。

この「診断書」の日付は2月4日。王立軍が重慶市公安局長を解任されたのは2日。5日、王氏は副市長の身分で重慶師範大学を視察していた。その翌日の6日、「重度のうつ病」の王は車を数百キロ走らせ、成都にある米国領事館に駆け込んだ。

「診断書」には第三軍医大学の大学印が押されているが、医師の署名はない。9日付の中国経営報はこの「診断書」の真偽について同病院に取材したところ、病院側は「ニセモノだ」と否定したという。だが、診断書の真偽よりも、地元重慶市の政府系サイトがわざわざ副市長の精神障害説を取り上げることは興味深い。

診断書騒ぎと同時期の8日、重慶市オフィシャル微博では、「王立軍副市長は、長期の重労働により、精神が高度の緊張状態に陥り体調に異常をきたしたため、現在、休暇式治療を受け入れた」というメッセージを流した。偽造とされる診断書も李偉東研究員のツイートも十分に現実味を帯びる展開となった。

ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)は海外中国語メディア・博訊ネットの情報として、王は自分が不慮な死を遂げた場合、死因は「統合失調症」や「重度のうつ病」になるだろうと身辺の人に話したことがあるという。「彼ら」はすでに自分に「自殺傾向がある」というシナリオを用意してあると王氏は話したという。

「王立軍は憂鬱かもしれないが、うつ病は強いられた病名なのでは」とネットユーザー。しかし、強いられた病名であっても、この病名が本当に成立すれば、王立軍は今後しばらくの間、精神病院に閉じ込められる可能性がある。そうなれば、重慶亡命事件が政局への影響を最少に収められる。

実際、「休暇式治療」に入った王立軍氏はいま完全に消息を絶っている。博訊ネットによれば、北京と重慶で彼の所在を調べる妻と弟でさえも知らされていない。

 (翻訳編集・張凛音)
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